【札幌記念予想】ランクの高い夏のローカル重賞 シュトルーヴェの復活劇に期待
底力は兄より格段に上
「札幌記念」は遠い時代からトップホースの出走が珍しくない、ランクの高い夏のローカル重賞だった。一時期必ずしもそうではない期間もあったが、近年、再び重要度の高いレースに復活している。最近7年の連対馬14頭中13頭が前走の出走はGIであり、残る1頭は2〜4走前の3走がGIだった。GI級の高い評価を得る馬向きのGII(定量戦)といえる。
人気上位ではないが、6歳シュトルーヴェ(父キングカメハメハ)の復活に期待したい。5歳春にGII日経賞、GII目黒記念を連勝のあと、GI「宝塚記念、ジャパンC、有馬記念」を凡走したが、体調一歩の不振期でもあった。前走のダイヤモンドSは59キロで上がり35秒3。立ち直りが見えていた。そのあと完全復活を目標に改めてリフレッシュ。4歳秋に去勢されてセン馬となっているので、まだまだ活躍するしかない。
5歳春の目黒記念を58.5キロで差し切った際の上がり3ハロンは「32秒9」。あの切れ味はまだ衰えていない。半兄のアンティシペイト(父ルーラーシップ、その父キングカメハメハ)は2022年の札幌記念を0秒7差の7着にとどまっているが、GIIを2連勝しているシュトルーヴェの底力は、酷似の血統背景を持つ兄より格段に上と思える。
先行策を取りたい馬、あるいはホウオウビスケッツのように早めのスパートで結果を出したい有力馬がいるので、決して展開不利ではない。2000mは久しぶりだが、ステイヤータイプではなく十分に守備範囲だろう。
3勝クラスを勝ってコンビで1戦1勝のR.キング騎手(短期免許の最終週)とは再コンビ。追って確かなキング騎手向きの差す脚もある。シュトルーヴェはキングカメハメハの残した最終世代。その代表馬らしい逆転の快走があって不思議はない。単・複中心。
「中京記念」は絶好の動きを示したエコロヴァルツ(父ブラックタイド)のチャンス。前走の安田記念は途中で下げすぎたため馬群をさばけず、最後は諦めていた。あれで自己最高の1分33秒2ならGIIIの今回は争覇圏だ。相手本線はキープカルム。途中からかかって単騎で飛ばしそうなシンフォーエバーも54キロだけに侮れない。