【菊花賞予想】クラシック三冠最終戦 キタサンブラックの血を引くヤマニンブークリエに注目
“芦毛”の気になるデータも
20年ほど前から出走馬の変化した菊花賞は、21世紀になった2001年以降ここまで24回、春のクラシック出走馬が「12勝」。不出走馬も互角の「12勝」。
それを象徴するように春二冠には不出走のエネルジコ(父ドゥラメンテ)と、春二冠の成績上位のエリキング(父キズナ)が支持を二分する人気上位馬となった。
さらに、長いこと関連が薄かったセントライト記念組が、最近10年の菊花賞3着以内馬30頭中に、9頭もいる。神戸新聞杯組の11頭とほぼ互角だ。
京都地方の日曜日の降水確率80パーセントの天気予報も重なり、人気順が示すよりはるかに難しい菊花賞になった。
菊花賞馬キタサンブラック産駒が3頭「ライトトラック、ヤマニンブークリエ、レクスノヴァス」いる。みんな伏兵評価だが、どこか父に似ている印象があればアドバンテージがあって不思議ない。近年ではきわめて特殊な距離3000mなのだから。
独特の特徴を持つキタサンブラック産駒のヤマニンブークリエ(セントライト記念2着)に期待したい。大型馬はあまり長距離戦向きではなく、さらには渋馬場だと自身の馬体を動かすロスが大きいとされるが、キタサンブラックは長距離戦も、重馬場もまず苦にしなかった。ヤマニンブークリエも大型馬だ。
3代母ワンオブアクラインは、2003年の三冠牝馬スティルインラブの祖母スレマイフと同血にも近い妹になる。また、祖母の父エリシオは凱旋門賞馬。芦毛を伝える母の父チチカステナンゴも、2400m当時の仏ダービー2着馬。父母両系にスタミナはある。さらに、近年はサイアーラインの集中で大種牡馬のクロスが多いとはいえ、ヤマニンブークリエはノーザンダンサーの「6×6×6×5×5×5×6」に達する。
クラシック三冠レースで芦毛の勝ち馬は「皐月賞4頭、日本ダービー1頭、菊花賞6頭」という不思議な歴史がある。世界に芦毛を伝える血脈は複数あるが、「1977年プレストウコウ、1990年メジロマックイーン、1993年ビワハヤヒデ、1998年セイウンスカイ、2002年ヒシミラクル、2012年ゴールドシップ」。この6頭の芦毛は、ヤマニンブークリエと同様に一世紀以上前のザテトラークか、その芦毛を受け継いだグレイソヴリンを経由した芦毛だ。競走能力と、毛色に関連はないとされるが、なぜか菊花賞で歴史的な成績を残す芦毛の底力と不思議な成長力に期待したい。ヤマニンブークリエを買いたい。