【エリザベス女王杯予想】世代を問わない牝馬の頂点にあるGI 巻き返しを図るレガレイラに期待
能力全開に期待できる
エリザベス女王杯は、世代を問わない牝馬の頂点にあるGI。ずっと以前から著名牝系に属する馬が大活躍してきた。近年は名門ファミリーではない馬など見当たらず、みんなが名牝系の良血馬だが、中でも人気の4歳牝馬レガレイラ(父スワーヴリチャード)は、3代母ウインドインハーヘア。その直仔ランズエッジ分枝の繁栄は強力で、4歳の菊花賞馬アーバンシック、今回対戦する桜花賞馬ステレンボッシュと「いとこ」の間柄になる。
レガレイラは3歳時に「有馬記念」を制し、ここまでまだ10戦[4-0-1-5]。さらに強くなる可能性を秘めている。
関西圏への遠征競馬に良績がないのが不安視されるが、3歳秋の「ローズS」は出負けして最後方に置かれる不利。それでも上がり最速の33秒1で伸びて0秒4差の5着。力負けではなかった。昨年の「エリザベス女王杯」はスムーズに流れに乗れず、直線に入って両脇から挟まれる不利が痛かった。0秒5差5着。
今年になって初戦の「宝塚記念」は、骨折休養明け6カ月ぶり。体調一歩に加え、稍重の馬場状態も不利だった。
ただし、巻き返しを図る今回は仕上がりが違う。ひと回り大きくなったように映る馬体がたくましくなったと同時に、引き締まっている。天候の心配もない。有馬記念を上回る能力全開に期待できる。好位追走の形に持ち込みたい。
相手は難解。候補は何頭もいるが、大駆けの魅力は4回目の挑戦になる6歳ライラック(父オルフェーヴル)。ここまでエリザベス女王杯「2、4、6」着。尻下りのようだが、実際は連続して走破タイムを短縮している。外差しが利きそうな芝状態が魅力だ。
大成功している輸入牝馬スカーレットインクのファミリーで、直仔スカーレットブーケは1991年のこのGIを3着。その産駒ダイワスカーレットは2007年の勝ち馬。ライラックは4代母にエリザベス女王杯に良績を残す牝祖スカーレットインクが登場する。
また、牝系は異なるがクロコスミアは、このエリザベス女王杯を「2、2、2」着だったことで知られるタフな牝馬。クロコスミアの父は、オルフェーヴルの父ステイゴールドだった。
3歳馬パラディレーヌ(父キズナ)は、今秋の秋華賞で上がり最速の34秒4で0秒2差の3着。例年より心持ちタフな芝状態と思える。母の父クロージングアーギュメントはまったくの人気薄でケンタッキーダービー小差2着。母の父となって侮り難い底力を伝えることに成功している。