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笑顔がまぶしい好青年、亀田温心騎手にインタビュー!

  • 2019年08月20日(火) 18時00分

かつての自厩舎を訪問、北出成人先生と思い出話も


 夏競馬も後半に入り、熱い熱戦が行われていますね。18日(日)には浜中俊騎手が1000勝を達成し、偉大な記録がまたひとつ生まれました。

職人

1000勝を達成した浜中騎手(c)netkeiba.com


 浜中騎手おめでとうございます。今年はダービージョッキーとなるなど活躍を見せ、幸運の女神が舞い降りている浜中騎手。それでもこの記録は、決して女神の力ではなく、浜中騎手自身が1歩1歩積み上げてきた浜中騎手の努力の結果だと思います。

 豊騎手に次ぐ史上2番目のスピード、30歳の若さでの達成なので、今後さらに大きな記録が生まれるのが楽しみです。

 師匠やご両親の目の前での達成は、後輩たちにも大きなプレゼントになりましたね。そして祖父への思いも伝わってきます。だからこそ頑張って来れたのかなとも思います。

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 日曜小倉では、ダイメイプリンセスが北九州記念を制覇しました。秋山真一郎騎手おめでとうございます。

職人

北九州記念を制したダイメイプリンセス(c)netkeiba.com


 アイビスサマーダッシュの連覇を狙って取材させていただいていましたが、ここで復活の勝利を果たしました。道中中団でジックリ待機し、直線で勝負に出た秋山騎手の騎乗ぶりから、相棒の末脚に信頼をもって乗っていたことがうかがえました。

 相棒を信じることって大事なんですよね。秋競馬の楽しみがまた一つ増えました。

職人

厩舎でくつろぐダイメイプリンセス


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 2019年デビューの新人騎手もデビューから約半年が過ぎ、夏競馬を経験することで秋にむけ大きく成長する時期でしょう。楽しみです。

 今年の新人騎手8名は、みなさん頼もしく話題性もありますね。

 以前、取材させていただいた藤井勘一郎騎手は、豪州の競馬学校に入学され、その後はシンガポールや韓国で活躍。2018年にはコリアスプリントを制覇され、同年、地方通算500勝達成されましたが、気持ちを新たにJRA新人騎手として頑張りたいということで2019年に0からのスタートを切られました。

 ベテラン騎手でありながら新人騎手としての気迫も感じた取材でした。協力いただき感謝です。

 今回は、名前で話題になった亀田温心騎手を取材させて頂きました。温心と書きハートと読むんだそうです。

「暖かい心をもった子供に成長してほしいと名付けられたので『ハート』と呼んでください」とにこやかな笑顔で教えてくれました。

 約束していた時間より、少し早く亀田騎手が所属する北出成人厩舎へ向かうと、調教から帰る馬を待っていた北出調教師に出会いました。

常石 北出先生お邪魔します。(騎手時代は、ここが自厩舎でしたので)懐かしいですよ。

北出 あっそうかそうか、この厩舎やったな。立派な厩舎やからな、同じものは建てられへんわな?

職人

厩舎での一枚、扇風機の先からはミストが噴射され馬も気持ちよさそう


常石 そうですね、一番端だったから涼しくて住み心地もよかったですよ。当時は独身寮ではなく大仲の上の部屋で生活し、先生宅で食事やお風呂も頂いていたのでよかったです。今はそんなことないですよね。

北出 独身寮があるからな。

常石 そうですよね。早速ですが、亀田騎手の印象を教えてください。

北出 真面目で大人しく、あったかい気持ちを持ってるので、その部分を大事にしながらもう少し積極的に乗ってくれたらと思いますね。減量中は特に、前々へ行く競馬が出来るといいですね。北海道へも行かせているので、いろいろ経験してくれたらと思いますね。

常石 減量の1、2kgは大きいですよね。僕もよく失敗していました。(苦笑)

北出 勝負の世界だからね。体が柔らかくスタートセンスもいいのでこれからだね。もうすぐ帰ってくるから待っててあげてください。

職人

昔話にも花が咲き、北出先生とツーショット!


 北出先生ありがとうございました。別れを告げて大仲へ向かうと、追い切りを終えた亀田騎手に会うことが出来ました。

常石 今日はよろしくお願いいたします。今週(17、18日)は、小倉ですか?

亀田 はい。小倉で11鞍乗せて頂きます。

常石 先週(10、11日)も沢山乗っていましたし、活躍されていますね。

 10日の小倉5R(新馬戦ダート1700m)で騎乗したコパノマーキュリーは、人気薄だったのにもかかわらず、見事勝利に導きましたね。ぎりぎりの接戦をものにして、見応えのあるレースでした。ああいうレースで結果を出せば信頼度も上がりますし、乗せてくれる機会も多くなるといいですね。

亀田 ありがとうございます。減量あるときにしっかりと結果を出し、自分自身で減量取りたいと思っています。

職人

亀田騎手に取材中


常石 頑張ってる同期達もいいライバルですね。

亀田 はい、僕も頑張ります。

常石 ところで、出身はどちらですか?

亀田 京都です。京都競馬場の近くに住んでいたので、父によく連れて行ってもらいました。小学校5年生の時に京都競馬場の乗馬クラブに通ったので、自然と騎手を目指すようになっていました。

常石 乗馬倶楽部へ行き、乗馬の基礎をしっかりしていたら体幹もいいでしょうね。そういえば、幸英明先輩を尊敬する人って言っていましたね。幸騎手は僕の2つ上の先輩で、上手いのはもちろん、やさしくて思いやりもありつつ、厳しい面もあるのでいい先輩でした。当時はいつも一緒にいましたね。

 他にも、上手い騎手がいっぱいいるので見ることも大事ですね。特に外国の騎手は、小さいころから乗馬をやっているので、馬を正確に細かく動かすのがとってもうまいから、狭い隙でも入れると思うと突っ込んできます。良いところは、どんどん真似して欲しいです。

亀田 はい、よくわかります。

常石 今週(17、18日)楽しみな馬はいますか?

亀田 さっき追い切りをしたサクセスクルーズが出走します(日曜3Rの3歳未勝利・芝2600m、結果は12番人気で6着)。少し小さい馬ですが、追い切りもだんだん良くなってきて動いてくれているので、頑張ってほしいです。

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調教を終えたサクセスクルーズ


職人

サクセスクルーズと「一緒に頑張ろうなあ」と


 村田助手も向こうで待っていて、アドバイスをくれるので頼りにさせていただいてます。

常石 いい先輩に囲まれていますね。体づくりのためにジムなどに通っていますか?

亀田 小牧太騎手や松田大作騎手が通うジムに行きトレーニングをしています。基本の体が大事なので、誰にも負けない体づくりをしたいです。

常石 小牧騎手の通うジムがいいといってましたね。怪我しないためにも大事だと思います。最後にファンへのメッセージをお願いします。

亀田 繰り返しにはなりますが、自分自身で減量が取れるように頑張りたいと思います。応援してください。

常石 記念写真お願いします。(爆笑)

 現役の時、この厩舎だったので思い入れがあります。馬とのツーショットはやはりいいですね。今日はありがとうございました。これからも応援しています。

職人

亀田騎手とサクセスクルーズと記念の一枚


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 とっても行儀がよくはきはき応えてくれキラキラしている表情がまぶしい好青年でした。今後の更なる活躍に期待です。

 つねかつこと常石勝義でした。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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