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ダノンスマッシュの高松宮記念 昨年10着からのリベンジを果たせたわけ 【月刊 川田将雅】

  • 2021年04月22日(木) 18時02分
VOICE

▲4週連続重賞勝利中、今回は高松宮記念の回顧をお届けします (撮影:桂伸也)


今月からスタートした、川田将雅騎手の新連載『VOICE』。初回のコラムは、非常にたくさんの皆様に目にしていただきました。ここに深く御礼申し上げます。

さて、第2回の今回は、直近の話題をお届けする「月刊 川田将雅」です。GIの高松宮記念、大阪杯をはじめ、圧巻の4週連続重賞勝利中。振り返りたいレースがたくさんあるため、今回は特別に2日連続でGIレース回顧をお届けします。

本日取り上げるのは、ダノンスマッシュで制した高松宮記念。昨年は無念の10着。リベンジを果たすため、川田騎手が徹底して心掛けたことがありました。

(取材・構成=不破由妃子)

父ロードカナロアを彷彿させたシーン


──この春のGIシリーズは、高松宮記念での勝利から始まり、翌週の大阪杯では、レイパパレとのコンビで並みいる強豪馬を完封。4週連続重賞勝利(毎日杯、阪神牝馬S、アーリントンC)を決めるなど、最高のスタートとなりましたね。そこで『月刊 川田将雅』では、木曜、金曜の2回にわけて高松宮記念と大阪杯をじっくりと回顧していくとともに、終わったばかりの皐月賞の敗因についても伺っていきたいと思っています。では、まずは高松宮記念から。

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▲昨年は無念の10着、見事リベンジを果たした (C)netkeiba.com


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▲この勝利のために川田騎手が施したこととは? (C)netkeiba.com


川田 あの日はパドックも穏やかに歩けていて、本当にいい雰囲気でした。馬場入りの際はスイッチが入りましたが、走り出したところでまた穏やかになり、そのままポケットでも穏やかに過ごして。そこからゲート裏に行くまでに一旦スイッチが入って、ゲート裏に着いてからスタートまでの時間は、さらに穏やかな雰囲気で過ごしていました。

──ダノンスマッシュって、そんなにいい子でしたっけ?

川田 昨年は全然違いました。担当助手の岩本さんはお父さんのロードカナロアも担当されていた方で、岩本さんいわく、引退間際のカナロアはゲート裏であくびをしていたと。よく言えば「ドッシリしている」、悪く言えば「やる気が見えない」、そういう様子だったそうです。

 だから、高松宮記念当日のスマッシュを観察しながら、「スマッシュもカナロアのようになってきたのかな。だとしたら、この雰囲気でも走るんやろうね」と、岩本さんとふたりで話していたんです。

──ロードカナロアは、あくびが出るほどリラックスしていたという晩年も、レースではきっちり結果を出していましたものね。

川田 もし、岩本さんからカナロアの話を聞いていなかったら、「今から1200mのGIを走ろうという馬が、こんなに穏やかでちゃんと走れるんだろうか…」と心配になっていたかもしれませんが、「これだけおとなしければ、ゲートのなかの体勢もマシになるかも」とプラスにとらえることができました。

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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