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【2023年上半期回顧】「日本を代表する1頭に」──編集部厳選の4頭について“手応え”と“将来性”を語る【月刊 川田将雅】

  • 2023年06月29日(木) 18時01分
“VOICE”

▲編集部が川田騎手に手応えを聞きたい4頭は…(撮影:稲葉訓也)


川田騎手が上半期に騎乗して勝利を挙げた馬の中には、リバティアイランド以外にも大きな可能性を持っている馬が多くいます。そこで今回のテーマは「netkeiba編集部が厳選した4頭」について。

「本来であれば、とっくにGIで戦っている馬」と川田騎手から高い評価を受けながら、時間をかけてついに重賞初制覇を果たした馬、体質が弱くデビューが4歳まで遅れた馬など、それらの馬は高い素質と同時に多様な課題も抱えています。いい走りを引き出すための1頭1頭との向き合い方や、手応え、将来性についてお話いただきました。

(取材・構成=不破由妃子)

併せ馬で感じたあまりの“走りのよさ”に「なんや、その馬。それ誰?」と


──この春、リバティアイランドについては桜花賞、オークスとたっぷり回顧していただきましたが、リバティ以外にもその感触をお聞きしてみたい馬がたくさんいて、そんななかから今回は4頭をピックアップしてみました。まずは3月19日、4カ月半ぶりの山陽特別で5馬身差の圧勝を飾ったダノンティンパニー。4歳の1月に園田でデビューして3連勝、昨年の10月に満を持して中央に転籍してきた馬ですね。

川田 ティンパニーは幼い頃から脚元が弱く、ほかの馬たちと同じようには調教を進められなかったんです。それでもトレセンに来て、ゲート試験まではやったんですが、脚元の弱さを解消できず、JRAの3歳未勝利が終わる夏場までに間に合わなかったんですよね。それだけ競馬を使えるまでに時間が掛かった。だから、まずは地方で籍を作って、JRAに戻ってきたのが昨年の秋。この馬の場合、4歳デビューですからね。なかなかないケースです。

──園田では3戦3勝。しかも、圧勝に次ぐ圧勝でした。

川田 それだけのポテンシャルにありますから。中央初戦(2022年10月15日)は、佑介が乗って1勝クラスを勝ったんですけど、その1週前追い切りだったかな。僕はダノンバビルに乗って、佑介が乗るティンパニーと併せ馬をしたんです。その時点で僕はティンパニーを知らなかったので、追い切りのあと、佑介に「なんや、その馬。それ誰?」と。そうしたら佑介が「バレた…」って(笑)。

──川田さんにティンパニーの存在を知られたくなかったんだ(笑)。

川田 上がってきてから、厩舎のみんなにも「もうバレたわ」って言ってましたよ(笑)。地方からJRAに移ってきて、最初のレースを使う前の時点で、「なんや、その馬」と聞きたくなるくらいのいい走りをしていました。実際に乗らずとも、真横で併せているだけで「いい馬」だと感じたんです。

──オーラというか、圧というか。

川田 走りのよさ、ですね。

──川田さんが乗った3月のレースは、ちょっと語弊があるかもしれませんが、1頭だけ調教をしているかのようなレースでしたよ。

川田 脚元の弱さはいまだに解消されていないので、あのレースに関しては、できるだけ負担を掛けないレースをしたかったんです。たとえば、直線だけ全力で走らせるみたいな、完全にトップスピードに入れるようなことはしたくなかった。なので、脚元の負担を最小限にとどめるため、大事をとって外を回して、必要以上に加速させず、そのままゴールまで連れて行くというレースをしました。

“VOICE”

▲大外を回り、手応え十分に5馬身差をつけたダノンティンパニー(C)netkeiba.com


──それでいて5馬身差ですからね。

川田 ポテンシャルからしたら、驚くほどの着差ではありません。それでも、大事に大事に、壊さないように競馬をしているという段階です。

──今後、身体がしっかりしてくる可能性もあるんですよね?

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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