【京都大賞典】
　京都大賞典はヒットザターゲットが優勝。重賞を勝っている馬だけに馬体は良く、デキも返し馬も良く映りました。手先も軽く、軽い馬場もこなせるタイプだけに、この週の内枠、先行有利の傾向を考えると印を回すべきでした。今回は嵌ったところもあって全てを鵜呑みにはできませんが、条件次第ではこれだけの脚を使うことができるのを証明しました。常に警戒はしていきたいと思います。

　2着のアンコイルドは馬体こそまだ余裕があるように見えましたが、返し馬の蹴りが尋常ではないバネ感で、素晴らしい動きをしていました。ジャイアンツコーズウェイ産駒で骨格もしっかりしているので、どちらかというと力の要る馬場の方が合うタイプですが、京都で2勝しているように軽い馬場もこなせます。この馬に関してはパドックで見て分かりにくいので、返し馬で判断した方が良いでしょう。

　3着のトーセンラーは休み明けでもキッチリとデキていましたし、馬場も合うタイプなので期待していましたが、今の馬場で外枠からさげる競馬をしてはさすがに最後はバテました。前のポジションを取れるタイプだけにもったいないレースでした。軽い馬場ならG1でも上位争いする力は持っているので、天皇賞かJCのどちらか（出走すれば）で馬券に絡むことも可能だと思います。

　4着のアドマイヤラクティは休み明けとしては良いレースができたと思います。まだまだ上積みは大きいですし、秋のG2戦線くらいでは楽しみです。

　5着に敗れたゴールドシップは素晴らしいデキでしたが、パドックコメントでも書きましたが馬場が合いませんでした。この原因は、この馬の飛節と筋肉の質にあると思います。曲飛節気味の産駒が多いステイゴールド産駒にしてはピンと伸びて見えるくらいの直飛節ですし、それを動かす筋肉が柔軟なのですが、戻しも蹴りも速くないので、余計にスタミナ寄りに傾きます。なので、今回のように極端に軽い馬場では行き脚もロクにつきませんし、勝負どころでも遅れてしまいます。逆に力の要る馬場ではこの直飛節や筋肉の緩さが武器になるので、宝塚記念や有馬記念のような脚が使えるわけです。今後はJC→有馬記念というローテーションでしょうが、JCはある程度時計が掛かる馬場になっていれば買いで、有馬記念はいずれにしろ買いというスタンスで良いと思います。JC惨敗で有馬記念で勝負という図式が馬券屋としては一番おいしいと思います。

　6着のトゥザグローリーは大分馬体を持ち直していましたし、レース内容も悪くありませんでした。これは毎年好走する有馬記念辺りで警戒が必要でしょう。

　8着のヴィルシーナはまだ馬体に緩さがありましたし、これを使って良くなってきそうです。エリザベス女王杯では有力でしょう。

【デイリー杯2歳S】
　デイリー杯2歳Sはホウライアキコが優勝。マイルの距離も問題ありませんでしたし、手先が軽いので軽い馬場も有利に働きました。先行有利の馬場状態も合いました。暮れのジュベナイルフィリーズが目標になると思いますが、こちらについては直線の坂や馬場適性という問題も出てきますので、慎重に見極めたいと思います。

　2着のアトムはまだ絞れる体付きでしたが、それでも初戦よりは良くなっていました。ディープインパクト産駒にしては重心が低く、筋肉の塊のような馬体。今回は馬場適性の差で負けてしまいましたが、確実に走る馬ですし、今後は期待できると思います。

　3着のピークトラムはチチカステナンゴ産駒ですが、馬体的には母父が濃く出ています。薄い馬体で、軽めの馬場が合うタイプでしょう。

　9着のオトコギマサムネはトモの肉付きが良くなって確実に良化していましたが、今回は軽すぎる馬場が合いませんでした。中京や阪神のような力のいる馬場、もしくは東京のような広いコースで走るタイプでしょう。今後に期待したいと思います。

　11着に敗れたライザンは馬体こそ凄く良くなっていましたが、外枠でずっと掛かりっ放しでは駄目でした。こんな馬ではありませんし、次は巻き返してくると思います。

【次走の注目馬】

・ゴールドシップ
JCはある程度馬場が荒れていて差しが決まるようなら買い。逆に軽くて前が残るようなら消し。

・ライザン
今回は引っ掛かりっ放しだった分の負け。次走は工夫してくるだろう。

・オトコギマサムネ
もっと力の要る、差しが利く馬場なら買い。

・ヴィルシーナ
次走、牝馬同士ならチャンス。

・ショウナンラムジ
馬体は素晴らしかったし、もう少し時計の掛かる馬場なら。