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スワンS

  • 2002年10月25日(金) 14時06分
 この春、武豊騎手は落馬骨折で皐月賞シリーズは乗れなかったのだが、当時、数あるお手馬の中で、タニノギムレットを選ぶか、それとも同じく連勝中のモノポライザーを選ぶのかといわれていた。

 結局、ダービーではタニノギムレットに乗って快勝。一方のモノポライザーは線の細さが消えず、精神面ではテンションが上がったまま春は凡走したが、夏の充電に成功、ひと回り成長して秋を迎えている。

 前走のポートアイランドS、メイショウラムセスに鼻差勝ち程度ではまだそう強気になれないが、一度使ったこの中間、まさに動きが一変している。最終追い切りでは坂路で50秒1。一直線に伸び、明らかにたくましく、かつシャープになっている。

 これなら、春にタニノギムレットと武豊騎手が互角の可能性を認めた通りの、この秋のスケールアップが望めそうだ。

 エアグルーヴの半弟。このパロクサイドから発展するファミリーは、ときにダート巧者を送ったり、また期待の良血馬のわりにさして成長せず、平凡な成績に終わったりする馬もいるが、この馬はシャープ。1200mとかならともかく、京都の外回りの1400mなら、距離不足の心配はないだろう。ゼンノエルシドやショウナンカンプは59キロ。ゴッドオブチャンスも58キロ。3歳馬ゆえ、またまだ重賞を勝っていないため、55キロで出走できるのはきわめて有利だ。

 中央の芝のレースに的を絞っているネイティヴハートにも再注目。今回は長めからビッシリ追ってきた。一連のレースから、おそらく距離はこの1400mがベスト。坂があると良くないが、京都の直線は平坦。前々走のNSTオープンはあと一歩のびず、1分19秒5の5着止まりだが、当時と比べるとはるかに今回の方が状態はいい。

 中山の武蔵野S。今回は初コースで苦戦もあるが、前走、上山のレコード勝ちがケタ違いのロングカイソウのレースぶりに注目。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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