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エピファネイア、マジェスティハーツなど菊花賞分析

  • 2013年10月15日(火) 18時00分
 今週の菊花賞はエピファネイアの1強、1番人気のメンバー構成となりそうです。確かに、前走での勝ちっぷりは鮮やかであり、戦うメンバーもほぼ同じ。一応、セントライト記念組をどう評価するかというところですが、例年のごとく、神戸新聞杯組が人気することになるでしょうから、そこでの勝負付けは済んでいると判断するかどうか。

 この先を書いてしまうと、菊花賞の予想になってしまうので、ここでは、あくまで出走予定馬のレポートをお届けする形にしておきます。まずはエピファネイア。前走後、坂路馬場入りの初日が、10月1日でしたが、その日から15-15で時計になっており、その時計は1日ごとに落ち着いてきたという感じでした。この内容から推測できるのは、前走のレースは疲れがなかったということ。まだ走り足りないから、普通キャンターを乗っても時計が出てしまうのではないでしょうか。

 ただ、そのペースで乗り続けてしまうと、明らかにオーバーワークです。陣営はそのあたりを考慮しながら、工夫を重ねた調整を続けています。たとえば、1週前追い切りの10月9日。福永祐一騎手が騎乗する前に、追い切り場所のCWコースを歩かせて、落ち着かせていました(画像)。これによって、前半からラップが速くなることはなく、非常に適度な時計の単走追い切りができました。

 角居勝彦厩舎は、ポルトフィーノ(新馬、エルフィンSを連勝)という、超良血でありながら、非常に気性の難しい馬を管理していました。あり余るスピードをどのように、調整していくべきか、厩舎としても、調整に苦労していたことを記憶しています。当時から思えば、エピファネイアは随分と陣営の思い通りに調整が進んでいる、そんな気がします。しかしながら、調教データから予想を組み立てると、楽観できないのが、今回の中間の追い切り内容。これに関しては、最終追い切りの内容を見極めた上で、No.1予想に記すつもりです。

エピファネイア

楽観できないエピファネイア


 客観的な調教データだけでなく、主観的な馬の印象、追い切りの動きから、魅力がたっぷりあるのはマジェスティハーツ。前走神戸新聞は7番人気ですが、No.1予想で◎を打ったように、とにかく充実しています。

 前走騎乗した森一馬騎手は今回騎乗しませんが、前半何もせず、後方からレースを進めたのは菊花賞を見据えるにあたって、最高の競馬だったと思います。菊花賞は前半1800mで脚を温存できるかが鍵。今回、武豊騎手が騎乗するということで、それでも十分に脚をためることはできるでしょうが、伏線として、神戸新聞杯のレース内容は菊花賞に効果があるはず。前走でラスト3F、強烈な脚を使ったからといって、ダメージもありません。画像は10月8日、坂路馬場でのキャンターの様子ですが、非常にいい雰囲気でした。

 そして、1週前追い切り。武豊騎手が騎乗したCWコースでの3頭併せ、最後方からの追走でしたが、外を回して、持ったまま、前を交わすというのは、前走時と全く同じ。とにかく体調面に関しては文句ありません。最終追い切りでも同様の動きを見せてくれるなら、この馬に対する評価は不変になりそうです

マジェスティハーツ

魅力たっぷりのマジェスティハーツ


 1週前追い切りを終えるまでは、アクションスター、ナリタパイレーツといった2頭の、それまでの追い切り内容に注目していたのですが、1週前追い切りを終えてから、タマモベストプレイ、テイエムイナズマの2頭に注目することに。これには明確な理由があるので、これも週末のNo.1予想には明記したいと思います。

◆次走要注意

・10/13 京都10R 壬生特別【ラヴァーズポイント】(2人/5着)

 休み明けから3走、結果が出た2戦は前日輸送の競馬。「そこはポイント」と中川調教助手が話していましたが、レース当日のパドックで、あれだけイレ込んでいた様子を見ると、やはり当日輸送の競馬はまだまだ不安があるのかも知れません。
 馬体などは、使うたびに良化しているので、なんとか当日輸送も克服してほしいところですが、現時点では一泊する前日輸送の方が安心して馬券を買えます。

[メモ登録用コメント] [前日輸送][芝1200m]最終追切で終い最速ラップなら勝ち負け

・10/14 東京11R 府中牝馬S【アロマティコ】(1人/7着)

 超がつく、スローの流れ。レース上がりが32.8秒では、後方集団に勝ち目はありません。馬群でレースを進め、直線脚を伸ばそうとしていましたが、全力を出し切ることなく負けています。
 今回はレースの流れが向かなかったとは思いますが、次走エリザベス女王杯を使うようなら、もう少し馬体も絞れた方がいいと思います。そのためにも、トラック調教を併用、追い切り本数を増加。秋華賞時と同じ標準多め併用が理想的でしょう。

[メモ登録用コメント] [エリ女王杯]標準多め併用なら勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・10/20 京都8R かえで賞【ツィンクルソード

 新馬勝ちから中5週。その間、坂路での追い切り本数を十分に積んでおり、その時計も10月2日に4F51.9秒をマークするなど、スピード感は十分。今の時計が速い馬場にも十分対応できそうなスピードです。
 あとは、最終追い切りで、前走時同様、終い重点の追い切りができるかどうか。それが可能であれば、自己条件くらいはあっさり勝てる能力を持っています。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りで坂路終い最速ラップなら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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