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【アーリントンC・アンタレスS・皐月賞予想】最も速い馬が勝つとも呼ばれるクラシック初戦 注目馬の追い切りを徹底解説!

  • 2024年04月10日(水) 18時00分

混戦模様の中GI仕様の追い切りを見せたのは?


 先週の桜花賞。VSOPにこだわって、そこから本命を決めることも検討していましたが、最終的には「2週連続追走先着」を決め手として、ライトバックに◎を打ちました。モニターでの確認ではありましたが、パドックでの落ち着いた姿を見て心配はほぼなくなりましたが、レースはほぼ最後方。これはジョッキーがレース後にコメントしていた「馬のリズム重視」だったのでしょう。だからこそ、あの脚を使えたと思いますし、結果は3着でしたが、この馬に本命を打って良かったと思えるレースでした。

 今週の皐月賞は本当に難しいですね。どの馬にもチャンスがありそうな、目移りするメンバー。何を重視するかによって、選ぶ馬は変わってきそうです。週末は晴れのお天気になりそうですから、その点に関しては悩む材料がひとつ減って助かります。

【アーリントンC/シヴァース】

 デビュー戦が芝馬場、きさらぎ賞がポリトラック馬場での最終追い切りでしたが、いずれも1週前追い切りはCW。ゆえに、この馬のポイントとしては、まず1週前追い切りの内容を精査することが重要だろうと思います。

 今回も1週前追い切りはCW。3頭併せを一番後ろから追いかける形でしたが、結果的に前に追いつくことができず、一番遅れてしまいました。これまでの3頭併せは前と後に馬がいる真ん中の状態で先着と遅れでしたから、ちょっと判断が難しいところ。6F81.8秒と速い時計が出たことは評価できますが、過去2走と比べて、良いという評価は難しい1週前追い切りではあります。

【アーリントンC/チャンネルトンネル】

 スプリングS後に栗東、福永祐一厩舎へ転厩してきました。美浦では美浦Wと坂路を併用していましたが、前走からのレース間隔が短いということもあってか、今回は坂路中心の追い切りになっています。1週前追い切りが坂路4F52.4秒で4F目が12.3秒の最速ラップを踏んでいます。

 個人的には前走も十分勝ち負けになる状態だったと思いますし、美浦Wでの追い切りも素晴らしく、とにかくポテンシャルの高い馬だという判定でした。それが環境の変化でどうなるかと思いましたが、現時点では気になるところはありません。距離に関してもマイルがベストかもしれませんから、今回はいろんなものが噛み合って結果が出そうな気がします。

調教Gメン研究所

坂路中心に追い切りを見せるチャンネルトンネル(4月9日撮影)


【アンタレスS/ハギノアレグリアス】

 チャンピオンズCは6着でしたが、3ヶ月ぶりのダイオライト記念が3着。正直、物足りなさもありましたが、やっぱり阪神、京都の競馬場がベストパフォーマンスの舞台なのかなと思います。それはシリウスSを勝った結果で感じたことですが。

 今回はその阪神ダート。中5週というレース間隔で、追い切りの本数は十分。1週前追い切りが坂路で4F目12.2秒の最速ラップを踏んで、併せ馬を先着。目立って速い時計が出ているわけではありませんが、追い切り本数と併せ馬の負荷を考えれば、これで十分という内容ではあります。

【皐月賞/シンエンペラー】

 ホープフルSから中8週の弥生賞は、1週前追い切りが土曜日。本馬にとっても、矢作厩舎にとっても珍しいパターンだっただけに、そこを気にしましたが、最終追い切りの坂路での動きを見るかぎり不安なしと判断して、それが2着という結果だったんだと思います。

 そういった意味では今回の1週前追い切りは水曜日で併せ馬を敢行。ミスタージーティーを追走して同入ですから、負荷はしっかりとかけられています。だからといって2週前追い切りが軽いわけではなく、これもCWで6F80秒台の併せ馬。追い切り本数も非常に多くて、3月31日に坂路でマークした4F52.2秒は自己ベスト。追い切り内容はGI仕様になっています。

調教Gメン研究所

GI仕様の追い切りを見せたシンエンペラー(写真奥、4月3日撮影)


【皐月賞/ジャンタルマンタル】

 2歳10月にデビューしましたが、朝日杯FSまでの3戦が中4週を2回。そして、次が共同通信杯を中7週で使ったので、今回は中8週というローテーション。あまりレース間隔をあけずにコンスタントに使っているという意味では、調子うんぬんは気にする必要がないのかもしれません。

 というのも、朝日杯FSも前走も坂路オンリーで併せ馬なしという調教内容。それは今回も4月7日の追い切りの段階まで同じです。そして、全体時計はあまり速くありませんが、ラスト1Fが11秒台というのはデビュー戦の追い切りから見せていたパターンですが、それは今回も2週前追い切り、1週前追い切りが11.8秒で見せています。そして、最終追いは1F11.7秒の切れ味。いわゆる至極順調な仕上がりだと思います。

調教Gメン研究所

順調な仕上がりのジャンタルマンタル(4月9日撮影)


◆次走要注意

・4/7 桜花賞【ライトバック】(7人/3着)

 レース当日に心配した入れ込みもなく、スムーズなパドックだったと思いますし、レースでは腹をくくったような待機策。メンバー最速、かつ唯一の32秒台を使った末脚は前走でコンビを組んだ坂井瑠星騎手だからこその戦法だったかなと思います。このレースがオークスでは大きな糧になるはずです。

[メモ登録用コメント] [芝中長距離]最終追い切りで併せ追走先着なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神ダート1800m>
◎最終追い切り坂路馬場4F目最速ラップ
◎最終追い切りCW2F目から4F目14.9秒以下で5F目11.9秒以下
○追い切り本数の多い調教タイプ

 昨年のアンタレスSは重馬場だったので、上記の調教適性に該当した馬の好走はありませんでしたが、先週の梅田Sでは4番人気の◎CWが1着、8番人気の◎坂路が3着でした。2着が無印でしたが、これが1週前追い切りが栗東坂路で4F51.8秒と速い時計だったので、重賞になると良馬場でもスピードは重要かもしれません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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