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メイショウマンボなどエリザベス女王杯、ファンタジーS分析

  • 2013年11月05日(火) 18時00分
 今週は平地重賞が4鞍。個人的には、京王杯2歳Sがかなり小粒な印象があって、過去の優勝馬(グランプリボス、エーシントップなど)のような、今後の活躍も見込めるメンバーではないと思います。対して、ファンタジーSは、本命決めに目移りするようなメンバー。正直、ファンタジーSに登録している中でも、京王杯2歳Sに出走すれば、勝ち負けできるだろうなという馬がいます。

 よくよく考えると、今年の2歳重賞は牝馬が席巻。その傾向が登録メンバーに出ているということでしょう。牡馬路線は、重賞よりも黄菊賞。ここは、ヴォルシェーブにあっさりと、2勝目を挙げてもらいたいところです。

 左回りの芝1400mで新馬勝ちしているエルノルテは、京王杯2歳Sに出走しても人気したでしょうね。音無秀孝調教師も、そんな路線は思いついていなかったようですが、とにかく今回のレースで結果が欲しいところ。前走後も順調に調整を進めており、中3週で、最終追い切りを含めると、4本での仕上がりになります。前走は典型的な内回りでの差し遅れ。外回りに条件が替われば、前走負けた相手を逆転することは可能でしょう。
逆転可能なエルノルテ

逆転可能なエルノルテ

 同じく、前走りんどう賞で差し遅れたのが、リアルヴィーナス。もう少しゲートを出てくれると思っていましたが、あれでは、後方からのレースも仕方ありません。1週前追い切りで速い時計をマークした前走時と違い、今回は「静」の追い切り。最終追い切りも目立って速い時計を出すことはないと思うので、前走から人気がかなり下がると思いますが、まだまだ見限ってはいけない馬だと思います。
人気落ちでも見限れないリアルヴィーナス

人気落ちでも見限れないリアルヴィーナス

 そして、今週は古馬牝馬のG1、エリザベス女王杯。このレースは過去9年のレース結果と馬券圏内馬の調教内容を調べて、共通する調教傾向が少ないレースです。ただし、京都芝2200m外回りで行われるということもあり、波乱になったレースでの激走馬には、一定の傾向がありました。それが「追い切り本数の多さ」でした。

 細かい内容については、No.1予想で触れさせてもらうとして、ここでは、予想的なアプローチではなく、人気上位の支持を受けそうな馬のレポートをさせていただきます。

 まずは、秋華賞を勝ったメイショウマンボ。ローズSを叩いて、明らかに良化気配があったので、驚くことのない勝利だと思います。ただ、その後これ以上は良化しないと思っていましたが、レースの翌週に馬体を確認したところ、秋華賞時よりも雰囲気のある体になっていました。

 偏った調教馬場での追い切りではなく、1週前はCW、レース週は坂路というように、バランスよい併用調教が、バランスのよい馬体を造っている、そんな印象すら受けます。また、どちらの馬場でもスピードを見せているように、無駄な肉はなく、走るために必要な筋力がしっかりとついている印象。

 画像は1週前追い切りの馬場入り前の様子ですが、ゆったりと歩いて、体を大きく見せていました。いざ、走り出すと、少し行きたがるような素振りも見せていましたが、スピードのコントロールはできており、折り合いを欠くということはありません。個人的に、外回りに舞台が替わることは、あまりプラスではないと思いますが、調教内容からは文句をつけることはできません。
調教内容文句なしのメイショウマンボ

調教内容文句なしのメイショウマンボ

 外回りに舞台が替わることで、人気にもなるのは、デニムアンドルビー。ローズSでは、とても届かない位置から差し切りを決めることができましたが、前走は内回りということもあり、積極的な競馬をして4着。自分の形でレースをすれば、結果は違ったような気はしますが、レースによって、脚質を変えなければいけないのは、現状での弱点でしょう。

 1週前追い切りは坂路でしたが、これはフローラS1着時と同じ。レース間隔、輸送距離に違いはあれど、1週前が坂路だったということは減点にはならないでしょう。むしろ、気になるのは、調教開始時期が遅い点。前走と同じ中3週ですが、前走がレース18日前の追い切り開始に対して、今回は14日前。前走のレース内容で疲労があった、そのように考えると、この遅れは納得できます。
調教開始時期が気になるデニムアンドルビー

調教開始時期が気になるデニムアンドルビー

 3歳馬を迎え撃つのは、ヴィルシーナ。前走京都大賞典はこれまでにないレース展開で着順を悪くしてしまいましたが、陣営としては納得の結果。前哨戦よりも、G1をいかに勝つか、それを命題として、組まれたようなステップレースでした。

 ただ、個人的には、この中間の動きがそこまで良く見えません。追い切り時計が遅かったこともありますが、1週前追い切りの動きは実に平凡。ただ、追い切りで抜群に良く見せるようなタイプでないことも確かなので、あまりそれにこだわらないように、とは思っています。
1週前追い切りの動きは平凡だったヴィルシーナ

1週前追い切りの動きは平凡だったヴィルシーナ



◆次走要注意

・11/2 東京9R tvk賞【フェスティヴタロー】(1人/1着)

 このレースはREXSのパドック講師として、出走馬のパドックの見方を解説していましたが、理想の歩きとして、いつも話す「水平首でリズムよく周回する」理想的な歩き方を見せてくれました。
 しかも威風堂々。体を大きく見せており、これは負けないだろうと思っていたら、その通りの結果。これからも、あんな感じでパドックを歩くことができれば、オープン入りも遠くないと思います。

[メモ登録用コメント] パドックでの気配抜群なら勝ち負け

・11/3 東京9R 百日草特別【ピオネロ】(3人/1着)

 1週前追い切りに騎乗した松永幹夫調教師が「こんなにいい馬だったっけって思った」というくらい手応えを感じていた馬。最終追い切りは地味でしたが、レースではきっちりと結果を出してくれました。
 まだまだ伸びしろのありそうな馬ですし、東京競馬場を経験でしたのは大きな収穫。これからの動向には注目です。

[メモ登録用コメント] [素質]併用系統の調教タイプなら勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・11/9 京都10R 比叡S【ナリタパイレーツ

 春から菊花賞を狙っていたといった類のコメントが出たので、前走は注目を集めましたが、結果は惨敗。個人的には、最終追い切りの場所がその敗因だと分析しています。
 やはり、この馬は最終追い切りDPこそでの馬。今回は、すみれS1着時と同じDP追い切りになると思うので、そうなれば巻き返し必至。

[メモ登録用コメント] 最終追い切り場所がDPなら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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