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ダノンシャークなどマイルCS、東スポ杯2歳S分析

  • 2013年11月12日(火) 18時00分
 今週は土曜日から東京スポーツ杯2歳S、日曜日はマイルCSをピックアップしたレポートをお届けします。まずは2歳重賞ですが、栗東所属馬の登録は8頭。その中でも、注目を集めるのは、サトノアラジンとラングレーの2頭でしょう。

 どちらも新馬勝ちしたというだけですが、前者は血統背景が強烈。だからこそ、セレクトセールで1億3000万円という高額で取引されたのでしょう。新馬戦では、その評価通り、2着に3馬身半の着差をつける圧勝でした。

 問題は3ヶ月ぶりとなるレース間隔でしょう。しかし、10月16日と早い時期にノーザンFしがらきから帰厩しており、ここまで坂路での追い切り本数は十分すぎるくらいに積んでいます。1週前追い切りも古馬ティアモブリーオを追走して、きっちりと先着する動き。最終追い切りも同様の内容であれば、デビュー戦と同じだけのパフォーマンスを見込めそうです。

追い切り本数十分のサトノアラジン

追い切り本数十分のサトノアラジン

 ラングレーは前開催の東京芝2000mで新馬勝ち。すでに東京競馬場を経験しているという意味では、前者よりアドバンテージがあります。ただし、レースは道中が13秒前後のラップを刻んで、正味3Fの競馬。経験値のある馬がレースをつくれば、前半でかなり置かれてしまう可能性はありそうです。

 中間の追い切りは緩めることなくしっかり。中2週ですが、1週前追い切りを坂路で4F54.2秒で併せ馬先着。手応えは馬なりだったので、強さという意味での負荷か軽くなりましたが、時計と併せ馬に関してはしっかりやれていると思います。

時計と併せ馬はしっかりやれているラングレー

時計と併せ馬はしっかりやれているラングレー

 ここはレース経験豊富な美浦所属馬も出走しており、素質だけで、この2頭が決める、そんなレースでもないような気がします。過去の優勝馬の調教傾向などを踏まえて、週末のNo.1予想できっちり結果を出したいと思います。

 マイルCS。1番人気は、2013年になって5走し、一度も馬券圏内を外れていないダノンシャークでしょう。しかも京都芝1600mは京都金杯での勝ち鞍があります。昨年は6着でしたが、今年は少し状況が違うのかも知れません。

 調教での変化はありました。2走前の京成杯AHの中間、これまでは追い切ったことのなかったCコースで併せ馬を行います。「以前から試したかったこと。G1になれば、下(トラックコース)でも時計を出せないと」と大久保龍志調教師が語っていました。春よりも安定感が増してきたのは、この追い切りの効果ではないかと思います。

 ただし、この中間は坂路での追い切りオンリー。叩き3走目というローテーションもあるのかも知れませんが、ここをどう評価するか。また、1週前追い切りでは、前走時も煽られたラヴァズアゲインに再び煽られることに。併せ馬の動きは関係ないという見方もできますが、G1のここは少し違うような気がします。

中間は坂路のみのダノンシャーク

中間は坂路のみのダノンシャーク

 問題は初マイルとなるトーセンラーでしょう。京都芝1800mは2戦2勝でも、マイルは経験がありません。コース形状は得意でも、前半でレースの流れに乗れなければ、そのまま見せ場なく終わる、なんてシーンは容易に想像できます。

 しかし、そこは考えあっての出走のはず。単純にマイルCSに出走したわけではないと思います。それを調教から見ることができるのは、中間の追い切り。普段はCコースでの追い切りがメインになる馬ですが、今回は坂路中心。というよりも、現状では、坂路でしか時計を出していません。これが非常に良いと思います。その追い切り時計も速く、1週前追い切りは4F51.9秒。中途半端でないところが、さすがだと思いますし、最終追い切りの内容次第では、無視することはできません。
最終追い切り次第では無視できないトーセンラー

最終追い切り次第では無視できないトーセンラー


◆次走要注意

・11/9 東京10R 銀嶺S【フミノファルコン】(2人/3着)

 今回は降級戦というよりも、馬場が湿らなかったことが、能力を発揮できなかった最大要因。馬場が湿っていると、スピード乗りが良いタイプだけに、今回は良馬場が応えました。
 最適なのは重馬場、あとは先行して押し切るレースができるはずです。

[メモ登録用コメント] [ダート][重馬場]調教タイプが標準多め坂路なら勝ち負け

・11/10 東京6R 2歳500万下【ウォッカマティーニ】(10人/12着)

 パドックでは気配よく周回できていた馬。ただ、今回の成績を見ると、明らかにダート向きなのでしょう。
 距離も1200mがベストでしょうし、あとは、田中清隆厩舎の勝負調教に該当してくれば。

[メモ登録用コメント] [ダート1200m]田中清隆厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・11/17 東京11R 霜月S【エーシントップ

 個人的にはマイルCSに出走して欲しかった馬ですが、前走後、早々にダートへ路線変更を決めました。それだけ厩舎が自信を持っていますし、1週前追い切りの動きも抜群。
 最終追い切りが坂路になれば、東京ダート1400mに適した併用調教になりますし、あとは、厩舎の勝負調教に該当すれば。

[メモ登録用コメント] 西園正都厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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