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ホッコータルマエ、ニホンピロアワーズなどジャパンCダート分析

  • 2013年11月26日(火) 18時00分



 先週のジャパンC、◎はエイシンフラッシュでした。その姿を東京競馬場のパドックで確認し「やっぱり、この馬を本命にしてよかった」と再認識できました。そのくらい、馬体の良さを感じましたが、レースはまさかの『逃げ』。スタートが良かったこと、他に行きたい馬がいなかったことが、重なり、このような戦法になったのでしょう。

 直線に向いて、伸びていない事実から「距離が長い」と敗因を決める方もいるでしょう。どっちにしても、負けているのですから、明確な理由は必要ないかも知れません。しかし、私は『初めて逃げた』という精神的なストレス、それと、前に馬がいないので、目標に向かって走れないということが今回の結果を招いたと考えています。もしかすると、エイシンフラッシュが逃げてしまうかも知れない、そうなれば、どのような結果になるか。そこまで考えて、しっかり印を打つべきだったと反省しています。

 もちろん、今週のJCダートも展開を読むことは重要になるでしょう。しかし、先週のように逃げ馬が不在ではなく、ブライトラインかエスポワールシチー。どちらかがレースの主導権を握る流れとなりそうです。エスポワールシチーに関しては『激白』のコーナーでの記事を担当しているので、そちらをご覧いただければと思います。

 もう一頭のレースの鍵を握る馬、それがブライトライン。1週前追い切りの坂路では、テンを飛ばしたとはいえ、ラスト1Fは歩いているのでは、と思えるくらいの止まりっぷりでした。

 直線急坂のある中京競馬場で重賞勝ちしているくらいですから、坂が駄目という考え方はナンセンスかも知れませんが、これまでのレースが非常に軽いスピードでの好走だけに、レースの流れが厳しくなったところでの、阪神競馬場での急坂は決してプラスではないように思えます。

ブライトライン

急坂は決してプラスではないように思えるブライトライン



 番手でレースを進めるだろう馬がホッコータルマエ。前走は逃げる手に出て、後続を封じ込めるレース内容でしたが、絶好のポジションでの競馬になるでしょう。昨年のJCD以降、アンタレスSで阪神ダート1800mを優勝。その2着、ニホンピロアワーズが前年の覇者でしたから、斤量差があったとはいえ、先着したのは成長もあると思います。

 この中間も、変わらない調教量をこなし、気になる点はありません。1週前追い切りは時計的に地味ですが、最後まで脚色が衰えることなく、まっすぐ駆け上がることができました。ここまで成績が安定すると、馬が精神的にも安定するのかも知れません。とにかく、不安なくレースに出走することができそうです。

ホッコータルマエ

この中間、気になる点がないホッコータルマエ



 連覇を狙うニホンピロアワーズは6月の帝王賞以来というローテーション。レース間隔が空いたこと自体、順調でないことを示しており、2週前追い切りの時点で併せ馬を遅れており、仕上がりに不安を感じさせました。

 そして、1週前追い切りは単走。6F時計こそ速い数字が出ましたが、ゴールした時にフットワークを乱しました。故障したのではないかと、驚くような場面でしたが、特に心配するようなことはなかった様子。ただ、厩舎へ引き揚げる際の様子を見ても、前捌きが硬く、かなりの急仕上げ感は否めません。

ニホンピロアワーズ

かなりの急仕上げ感は否めないニホンピロアワーズ



 昨年の同レース1番人気ローマンレジェンド。久しぶりとなった、前走のみやこSは追い切り本数を積み、最終追い切りでもきっちり時計を出しましたが、馬体重はプラス。つくったけど、やはり余裕はあったという感じでしょうか。それで3着なら、トライアルとして十分な役割を果たしたのではないでしょうか。

 1週前追い切りはあえて、併せた相手を追い抜かないような追い切り。このあたりに意図を感じますし、最終追い切りがどんな形で行われるのか。これ次第では、昨年に続き、この馬に重い印を打つことになりそうですが、とりあえず、今朝26日の坂路を駆け上がってくる様子は見応えがありました。

ローマンレジェンド

26日の坂路では見応えがあったローマンレジェンド



 最後にクリソライト。前走はノーザンFしがらきから帰厩してのレースでしたが、帰厩当初「今回は太いかも」と口にしていた音無秀孝調教師。実際、馬は太く、レースはちぐはぐなものになってしまいました。この中間は坂路での追い切り本数が増えており、絞れる可能性は大。今朝の登坂時の表情も良かったですし、こちらも最終追い切りは気になります。

クリソライト

26日朝の登坂時の表情も良かったクリソライト



◆次走要注意

・11/23 東京11R キャピタルS【コスモソーンパーク】(10人/5着)

 1600万下を勝ったばかりの身でしたが、最終追い切りで自己ベストを更新していたように、パドックでの毛艶の良さ、馬体の張りは目立っていました。ややテンションの高いところはありましたが、今は絶好調なのでしょう。
 この状態を維持できるようなら、1800mくらいの距離なら対応できそうです。

[メモ登録用コメント] [芝1800m以下]最終追い切り南Wで5F65秒前後の速い時計なら勝ち負け

・11/24 東京11R ジャパンC【ファイヤー】(14人/16着)

 ハドックでは、はちきれんばかりの馬体をアピールし、トモの踏込が深い、非常にゆったりとした周回。これがダートのレースなら、そう思わせてくれる状態でした。
 今の状態なら、ダートオープンどころか、重賞でも好勝負できそうな雰囲気。ただ、距離が短いところだと、追走に苦労するでしょうから、中長距離がベスト。

[メモ登録用コメント] [ダート][1800m以上]一杯平均トラックなら勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・12/1 阪神12R ゴールデンホイップT【ショウナンマハ

 休み明けになりますが、先週の追い切りや坂路でのキャンターの様子が抜群。このクラスでもいきなりやれそうな仕上がり状態です。
 また、12月開催の阪神芝1600mで良績を残しているのが、須貝尚介厩舎。鉄板スポットには該当しませんが、相性の良いコースであることは間違いありません。あとは最終追い切り次第。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りで須貝尚介厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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