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オーシャンブルー、オースミナインなど中山、京都金杯分析

  • 2014年01月03日(金) 18時00分


◆1月5日という日程は、休み明けから3日しか日数がないため調整が難しい

 今週は東西金杯。レースが行われる1月5日という日程は、休み明けから3日しか調整できないため、いつもとは違った追い切りの形を選ぶ陣営も多数あります。「3日」というのは、自ブロックでレースする場合の話で、栗東所属馬が中山金杯に出走する場合は「2日」しかありません。ですから、京都金杯に出走する美浦所属馬も全く同じ。この調整が難しい日程で、各陣営がどのような追い切りローテーションを選択してきたのか、人気に推されるであろう馬を中心に見ていきましょう。

【オーシャンブルー/中山金杯】

 12月27日、31日とCコースでの追い切りを消化。画像は12月31日の追い切り前の様子でしたが、ブリンカーを着用。これでどのくらい動けるのか、注目していましたが、個人的には、あまり大きな効果があるようには思えませんでした。

 そして、年明けの2日間の調整は「坂路」を選択しています。2日は1F14.8秒、3日が4F58.3〜1F14.4秒と軽め。4日に中山競馬場までの輸送を控えていることを考えれば、この程度で十分という判断でしょう。ただ、前記したように、昨年末の動きが、この馬本来の機敏なものではなかったと思えるだけに、そのままの状態をキープした形の調整は決してプラスに作用するとは思えません。

オーシャンブルー

ブリンカーを着用したが、個人的にはあまり大きな効果があるようには思えないオーシャンブルー



【ユニバーサルバンク/中山金杯】

 ステイヤーズSから中4週。少しゆったりしたローテーションということもあり、この中間の追い切り本数は標準よりもやや多いという程度にとどまりましたが、その中身は濃いと思います。まず、12月26日は7Fから時計になるような、道中速いラップを踏んでの追い切り。画像がその追い切り直後でしたが、毛艶が目立ち、非常に良い雰囲気でした。この動きで気合が入ったのか、12月30日の追い切りでは、速い時計を出す意図がなくても、自ら動ける前進気勢を見せていました。

 最終追い切りは3日。いつもと変わらず、Cコースを単走でしたが、前半はゆったり入って、直線だけしっかりと伸ばす追い切り。しっかりと追われて、ラスト1F12.1秒はさすがという動きでした。調整が難しい日程の中、できるだけいつもと変わらない追い切りをやってきた印象です。

ユニバーサルバンク

調整が難しい日程の中、いつもと変わらない追い切りをやってきた印象のユニバーサルバンク



【オースミナイン/京都金杯】

 前走から中4週。過去に経験したことのないローテーションですが、この中間も追い切り本数を減らすことなく、しっかりと乗れています。唯一、変わった点といえば、12月31日の追い切りがDコースのポリトラック馬場になった点。ただ、これは追い切り予定だった坂路馬場が一時的に閉鎖されたことによって、急遽予定を変更しないといけなくなっただけ。大きな影響はないと判断しています。

 最終追い切りは坂路でいつも通り。1本目を4F70.0秒と軽く乗った後、2本目が本追い切り。テンからじわりとラップを速めていって、ラスト1F地点では、前方のドナウブルーが視界に入り、それを追い抜く形になりました。進路変更する際に、少しヨレるようなシーンこそありましたが、ラップはきれいな終い最速。これはいつも通りですし、4F54.4秒もこの馬にとってはいつも通りの数字。状態に関しては、文句なしで初重賞挑戦ということになりそうです。

オースミナイン

状態に関しては、文句なしで初重賞挑戦となるオースミナイン



【メイケイペガスター/京都金杯】

 3歳春は皐月賞、日本ダービーという、クラシック路線を歩んできましたが、前走の結果を見るかぎり、マイル前後の距離に適性が高いことは明らか。この舞台はデイリー杯2歳Sで惨敗していますが、本来は能力を発揮できる設定だと思います。

 この中間も追い切り本数は標準以上。ただ、その中身が疑問。12月31日は左回りのCコースでしたが、併せたスペキュレーターに遅れてしまう内容。とにかく攻め気配が抜群なタイプだけに「どうしてかな」という疑問符が頭を埋め尽くしました。左回りが不得意ということは絶対にない(前走3着の上、共同通信杯1着)と思うので、やはり中身が疑問。その状態で、年明けは軽い追い切り。悪いイメージを払拭することなく、レースへ向かうという印象があります。

 除外になってしまったレッドアリオン。このまま、中山6日目のニューイヤーS(1月18日)にスライドする形になると思いますが、1月2日の追い切りで非常に機敏な動きを見せていただけに、出走できないことが本当に残念。

 上記で取り上げなかったところでは【プリムラブルガリス/京都金杯】が、1月3日の追い切りでラスト1F最速ラップの動きを見せており、オースミナイン同様に新興勢力として、非常に面白い存在だと思います。

◆次走要注意

・12/21 中山8R 3歳上500万下【エルマンボ】(1人/1着)

 REXSのパドック講義で題材となったレース。見る前から、この馬の姿が一番良く見えるだろうということは受講者の皆様にも話ましたが、まさにそんな感じ。他馬を見くだすようにして周回する姿は印象的でした。
 この状態ならオープン入りするは時間の問題。明け4歳で、勢いも十分にありますから、よほど調教が緩まないかぎりは崩れないでしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート1800m]堀宣行厩舎の勝負調教なら勝ち負け

・12/22 中山10R 有馬記念【カレンミロティック】(6人/6着)

 -10キロの馬体重は中2週で追い切り本数を増やした結果。ベストの状態に仕上げて、この負けですから、正直、距離は長いと思います。
 ただ、オルフェーヴルがいない2014年は先行脚質が大きな武器になるはず。これよりも馬体重が少なくならなければ、今回の反動はないと見たいところです。

[メモ登録用コメント] [芝1800mから2200mまで]坂路で本数多い調教タイプなら勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・1/6 中山11R ジャニュアリーS【スノードラゴン

 差し脚質だけに、馬群を捌けるかどうかが好走のポイントになりますが、馬込みを嫌うタイプではなく、ロスない騎乗ができるのが中山ダート1200mでは大きな武器。
 最終追い切りは前走以上になっており、ここは多少ロスのある外を回す競馬でも十分に勝ち負けできそうです。

[メモ登録用コメント] 中枠より外がベスト

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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