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ミッキーアイル、ワイレアワヒネなどシンザン記念、フェアリーS分析

  • 2014年01月09日(木) 18時00分


◆1番人気確実のミッキーアイル、追い切りには減点材料が…

 先週の回顧をさせてください。個人的には東西金杯を無印の馬が優勝。最悪の出だしとなりましたが、その一因を「年末年始の調整の難しさ」にするつもりはありません。
 年末年始の予想コンセプトとして「年明けに追い切りを行う」ということでしたが、それに間違いはありませんでした。

 先週のレースにおいて、年明け、1月2日以降に調教欄に追い切りが掲載されていない馬は55頭が出走していましたが、その成績は[1-6-3-45]。単勝回収率5%、複勝回収率72%ですから『年明けの追い切りなしは軽視』で正解でした。ただ、私自身の予想センスがないだけ。これはかなり問題がありますが、先週の結果を踏まえて、改善すべき点は見直していくつもりです。

 さて、今週は3歳重賞。シンザン記念とフェアリーS。どちらもかなり難しいレースになりそうですが、栗東での追い切りはシンザン記念予定馬が多いので、こちらを優先して、最終追い切りの解説をしたいと思います。

【ミッキーアイル/シンザン記念】

 新馬戦を含めて、過去3走の最終追い切りの時計は、新馬から順に、4F52.6秒、4F52.8秒、4F51.4秒。前走が自己ベストを更新した速い時計でしたが、そもそも、4F53秒を切るような速い時計をマークするのが、この馬の好走パターンと言えるでしょう。

 今回は4F55.1秒。馬場開場から10分近く時間が経ち、ウッドチップが荒れていましたが、それを考慮しても、この時計は評価できません。まして、前半をゆったり入っているにも関わらず、ラスト1Fが最速になるラップを踏めていません。これも追い切り内容としては減点材料。追い切り本数の多さは高く評価したいところですが、1番人気が予想される馬がこの最終追い切り内容では、決して高い評価はできません。

Gメン

減点材料があるミッキーアイル


【ウインフルブルーム/シンザン記念】

 デビューから4戦、馬券圏外になったことがありませんが、その最終追い切り内容は坂路もしくはDコースP馬場。いずれも単走で目一杯に追うというよりも、余力を残す形で、全体の時計は少し遅めというのが特徴です。

 今回も目立って速い時計ではありません、と記したいところですが、追い切り時計は4F54.1秒。これは前走時の4F時計よりも1.5秒速く、本馬の自己ベストを更新。追い切った時間帯は、1回目のハロー明けだったので、9日の中では時計の出やすい時間帯だったといってもよいのですが、とにかく自己ベストを更新したのは大きな進歩。前走G1の3着で走りに何かしらの変化があったのかも知れません。終いを1F13.0秒でまとめている点も評価できます。

【モーリス/シンザン記念】

 3戦して2勝。新馬、万両賞ともに、最終追い切りはCコースで行われていますが、6F時計は遅め。一杯に追われても地味だったデビュー前の追い切りに比べると、今の方が随分と素軽い動きをしている印象があります。

 9日の最終追い切りもそんな感じ。Cコースを単走でしたが、前半をゆったり入って、終い重点。6F85.6秒は前走時よりも速く、ラスト1F11.7秒も前走時より速い数字。この中間の動きから、時計は前走時よりも速くなりそうだと推測していましたが、その通りの結果に。もっと動きに派手さが出た方が、好走するイメージが沸きますが、3歳になったばかりの現時点ではこれで十分でしょう。

Gメン

素軽い印象のモーリス


【ワイレアワヒネ/フェアリーS】

 デビュー前の追い切りはCコースが中心、坂路では15-15より少し速い程度の時計を出すといった感じでした。今回の1週前追い切りもCコース。ここまでは前走時とほとんど変わりない調整です。

 ただ、最終追い切りには坂路馬場を選択。その動きが絶好で、4F53.7〜3F39.5〜2F25.3〜1F12.2秒。4F時計はもちろんですが、ラスト2Fが秀逸。特に1F12.2秒は9日のラスト1Fで最も速い数字。前走、阪神芝1600mでもゴールに向けて加速するラップが踏めていたので、直線に坂のあるコースはかなり得意なのかも知れません。

◆次走要注意

・1/5 中山8R 3歳上500万下【エゾムサシ】(11人/8着)

 REXSのパドック講義で題材となったレース。パドック周回の16頭で、最も気配が良く見えたのがこの馬。レースでも勝負どころでは、加速して、少しだけ見せ場がありました。
 ただ、あそこから伸びないのであれば、左回りの方が適性が高いということでしょう。距離も1400mまでならこなせそうです。

[メモ登録用コメント] [東京][中京]ダート1400mまでなら馬券圏内

・1/6 中山5R 3歳新馬【ダイワシェリー】(7人/10着)

 中間の追い切り本数が多く、調教タイプが標準多め併用。中山芝1600mには最適と思いましたが、道中、馬込みでレースをし、あまり能力を発揮できなかった印象。
 もっと走れる能力はあるはずですが、坂路で4F52.1秒をマークしているように、芝1400mあたりがベストかも知れません。

[メモ登録用コメント] [芝1400m]最終追い切り坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・1/12 中山11R ポルックスS【ダノンスパシーバ

 1週前追い切りのDコースP馬場が迫力満点の動き。担当厩務員も追い切りに跨った調教助手も復活の手応えを感じています。
 最終追い切りは中山競馬場への遠征があるということで坂路。これが併用調教になるので、結果的に中山ダート1800mへの適性アップになりました。

[メモ登録用コメント] ハイペース希望
次週も変則開催のため木曜日の更新になります。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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