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ベルシャザール、ホッコータルマエなどフェブラリーS分析

  • 2014年02月19日(水) 18時00分


◆人気上位3頭の実力は伯仲していますが、それ以外のメンバーにも要注目

 今週はフェブラリーS。人気上位3頭の実力は伯仲していますが、それ以外のメンバーも注目しておきたいだけに、いつもより、取り上げる頭数を増やして、早速、最終追い切りの解説をいきたいと思います。

【ベルシャザール】

 2013年JCダートの勝ち馬であり、フェブラリーSと同じ舞台で行われた、武蔵野Sの勝ち馬でもあります。コース適性、勢い、ともに申し分のない臨戦過程で、前走後、栗東を帰厩した際も非常に良い状態に見えただけに、1月時点では「この馬が勝つだろう」という印象でした。

 ところが、中間の追い切りの動きがひと息。まして、Cコースで時計を出したのは、1月の2本だけ。追い切りの中身、併せ馬の内容に疑問を感じているところに、19日の最終追い切りは、併せたロングロウの手応えが優勢で、完全に煽られるような形でなんとか先着できたという内容でした。

 時計が4F53.2〜1F12.7秒と地味な点については、好走時と変わりないので、全く問題ありません。ただ、これまでの3連勝は最終追い切りがすべて単走。これを併せ馬せざるえなかった状況は、どういうことか。そこまで深読みした上で、併せ馬の手応えを判断すると、決して高く評価できなくなりました。

ベルシャザール

併せ馬の手応えから高く評価できなくなったベルシャザール(2月18日撮影)



【ホッコータルマエ】

 川崎記念を勝った後、レース間隔も詰まるため、追い切り本数をどのように調整してくるか、注目していましたが、いつもと変わらない仕上げ。レースを使い続けているという意味でタフですが、追い切りの内容もタフさを感じさせてくれます。

 最終追い切りは先週と同じスプリングシーズンが相手。後半2Fを重視した追い切りでしたが、とにかくラストの伸びは秀逸。古馬になってからは、追い切りが地味だった馬にしては、今回は1F12.2秒と鋭く伸びています。全体のラップの踏み方も前走時とほぼ同じ。中間の調整過程から一切、気になる点がないといった感じです。

ホッコータルマエ

中間の調整過程から一切、気になる点がないホッコータルマエ(2月19日撮影)



【ニホンピロアワーズ】

 1週前追い切りでCコースを使い、その動きが絶品だったことに驚かされましたが、最終追い切りでも、再びCコース。今回は酒井学騎手が跨っての単走でしたが、追い切るまでの様子を見ていても、前走までと違って、スムーズに馬が動いている、そんな印象です。

 道中は鞍上酒井学騎手の手綱が動くことなく、馬が勝手に加速する感じ。折り合いを欠くわけではなく、自然とスピードが乗っている走り。6F81.3秒はこれまでのCコース追い切り時と比較しても速いが、無理しているわけではなく、とにかく具合が良いから、速い時計が出るといった感じ。フェブラリーSに対する調教適性は「No.1予想」を見ていただきたいと思いますが、最終追い切りは本当に文句ありません。

ニホンピロアワーズ

文句のない最終追い切りだったニホンピロアワーズ(2月19日撮影)



【ワンダーアキュート】

 この中間は坂路馬場での追い切りがほとんどだったので、1週前追い切りを終えた時点では、その点に疑問を感じていました。また、動きに関しても、タマモアルバを相手に煽られてるように見えるくらい、手応えも悪かったので、坂路だけでは仕上がらないのではないか、という推測を立てていました。

 ただ、最終追い切りをCコースで行った19日。その動きからは、重苦しさを感じることはありませんでしたし、至って、これまでのワンダーアキュートと変わらない感じ。もともと追い切りで動く、動かないが判断材料になりにくいタイプではありますが、少なくとも、この最終追い切りで減点するところはありません。

ワンダーアキュート

これまでと変わらない感じのワンダーアキュート(2月19日撮影)



【ベストウォーリア】

 根岸Sを除外されたことで、すばるSへの出走となりましたが、きっちり結果を出して、今回は中1週での参戦。前走時の追い切り内容は決して、動ける態勢が整っていたという感じではなかっただけに、その状態での勝利は大きかったと思います。

 今回は昨年の同時期、3歳500万下を東京ダート1600mで出走した時と同じ中1週。当時の追い切り内容は決して褒められたものではありませんでしたが、今回はラスト1Fが最速になる、理想的なラップ。しかも、その数字が12.4秒と石坂正厩舎の勝負調教に該当しています。前走を叩いての上積みは確実に感じるだけに、新興勢力としては、最も魅力ある馬ではないでしょうか。

ベストウォーリア

新興勢力としては、最も魅力ある馬のベストウォーリア(2月4日撮影)



◆次走要注意

・2/15 京都9R つばき賞【プリンスダム】(9人/12着)

 12キロ増という馬体重も応えたのか、後方から全く見せ場のないレースで惨敗。ただ、最終追い切りの内容からも、もっと走れると予想していただけに、この敗戦をどう判断するか。
 個人的には、このクラスを勝てずに終わる馬ではないと思いますから、再び池江泰寿厩舎の勝負調教に該当すれば、あらためて狙ってみたいところ。また、追い切り本数の増加は必須でしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1800mから2000m]池江泰寿厩舎の勝負調教かつ標準多め系統なら勝ち負け

・2/16 小倉5R 3歳新馬【エイシンフランキー】(1人/1着)

 中間の追い切り内容から、初戦から勝ち負けできるタイプだということは分かっていましたが、坂路での追い切りが中心だったため、コーナー4つの条件でどの程度、走ることができるか、心配な面もありました。
 しかし、それは杞憂に終わるレースぶり。次走は芝1800mか芝2400mの自己条件を使うことになりそうですが、現時点では中距離がベストかも知れません。

[メモ登録用コメント] [芝1800mから2000m]西園正都厩舎の勝負調教なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2/22 京都4R 3歳新馬【ヒシエクストリーム

 ショウリュウムーンの全妹ピエールドリュヌを追走した、19日の坂路での併せ馬。真後ろにつけて、折り合いに専念した後、ラスト2F標識を過ぎたところで、横へ並びかけると、あっさりと相手を交わして先着。
 その時計は2F24.7〜1F12.3秒。加速ラップでありながら、2Fは25秒を切る、新馬離れした数字。この追い切りで人気になることは覚悟の上、それでもきっちり勝ってくれるでしょう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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