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ホウライアキコなどフィリーズレビュー、中山牝馬S、中日新聞杯分析

  • 2014年03月12日(水) 18時00分


◆12日の最終追い切りを終えた各馬の解説

 先週の弥生賞。ワンアンドオンリーが4コーナーで仕掛け遅れたことが、最後に届かなかった要因であることは間違いないと思いますが、トゥザワールドが前を突きにいった、向正面での出来事も評価してあげないといけないような気がします。いずれにしても、2頭は高く評価すべきレースでしたね。

 今週の重賞は、後のG1レースに大きな影響を与えるほどの位置付けでないというのが、私の考え方。その代わりといってはなんですが、馬券的妙味はたっぷりなレース。では、さっそく今朝の追い切りを含めた、各馬の評価をご覧ください。

【中日新聞杯/アクションスター】

 3歳時には日本ダービーにも出走していますが、その後の出世がやや遅れ気味。その原因について「京成杯(2着)からゲートが悪くなった。それが最大の要因。唯一、ゲートをちゃんと出た寿Sは勝っているんだから、ゲートさえ出れば」という音無秀孝調教師。

 この中間はみっちりゲート練習をしたそうで、その不安は解消できたとのこと。その好影響なのか、最終追い切りはラスト1Fが最速になる、理想的なラップでフィニッシュ。ハンデ戦ということもあるので、このレースで一定の結果が出ないことには、この先は決して視界良好とはいかないでしょう。

アクションスター

この中間はみっちりゲート練習をしたアクションスター(3月11日撮影)


【中山牝馬S/フーラブライド】

 愛知杯1着、日経新春杯3着と、重賞での成績が安定。今回の課題は1800mという距離。小回りはダート1700m好走時代に経験済みですが、やはり芝ともなれば、話は別。ただ、常にトラック調教で速い時計を出せるタイプだけに、調教適性から、その心配はないかも知れません。

 それだけに、あとは最終追い切りの動きが注目でした。先週に続いて、酒井学騎手が跨って、Cコースでの追い切り。テンから飛ばし気味にいったこともありますが、直線に向いてからの伸びが今ひとつ迫力のない走り。それでも、6F80.2〜5F66.7〜4F53.4〜3F39.3〜1F12.8秒と全体時計は速いので、一定の評価は必要ですが、逆にそれ以上の評価も必要ないでしょう。

フーラブライド

直線に向いてからの伸びが今ひとつ迫力のないフーラブライド(3月12日撮影)


【中山牝馬S/キャトルフィーユ】

 3歳秋に出走した秋華賞は決して悪くない内容で8着。昨年も勝ちあぐねるレースが多かったものの、前走の愛知杯2着で、きっちり収得賞金を加算。これをきっかけに、重賞路線へ軌道が乗ればといったところだと思いますが、中間の追い切りを含めた、調整過程を見ていると、充実の5歳になりそうな予感がします。

 最終追い切りはCコースでラキシスを含めた3頭併せ。その真ん中に入る形での併せ馬でしたが、ゴール直前での手応えはこの馬が一番。最後方から差を詰めてきたラキシスよりも動きは目立っていました。時計は3F38.7〜1F12.5秒で、カーブからの加速力はまずまず。これなら中山の内回りにもしっかり対応してくれると思います。

キャトルフィーユ

目立つ動きを見せたキャトルフィーユ(3月12日撮影)


【フィリーズレビュー/ホウライアキコ】

 別コラムにて、1週前追い切りがCコースでなかった点に疑問符だと記した、今回の中間追い切り。ちなみに、小倉2歳S、デイリー杯2歳S、阪神JFがすべて、この追い切りパターンに該当していました。前走の敗戦を糧にして、今回は1週前追い切りも坂路にしたという考え方もありますが、重賞2勝はいずれも1週前追い切りがCコースだったことは事実です。

 最終追い切りは坂路で単走。この内容は重賞レースの過去3走と全く同じ。また、追い切り時計もほぼ同じで、そのあたりは優等生ぶりを見せてくれました。確かに今回の距離短縮は人気する要素として、間違いないものだと思いますが、とにかく、1週前追い切りの内容が少し気に入らない、そんな感じです。

ホウライアキコ

1週前追い切りの内容にやや不満が残るホウライアキコ(3月4日撮影)


【フィリーズレビュー/ホッコーサラスター】

 デビューから芝1400mを使い続けて、5戦すべて3着以内。うち1戦は阪神芝1400mで未勝利戦を勝っており、今回の舞台に向けて、不安な点は一切ありません。また、今回のローテーションは、その3走前と同じ中3週。その強さが馬なりだけという点も同じです。

 それだけに注目した坂路での最終追い切り。ゆったりとした雰囲気で登坂していき、ゴールまで、そのペースは一定。それでも実際の時計はラスト1Fが最速になるラップ。4F55.7秒と全体時計が遅いだけに、当たり前ではありますが、気の勝ったタイプだけに、これだけソフトに仕上げることができた点は評価すべきです。

ホッコーサラスター

評価できる仕上げとなったホッコーサラスター(3月12日撮影)


◆次走要注意

・3/8 阪神4R 3歳新馬【ヒシエクストリーム】(3人/9着)

 当初デビューする予定だったレースを除外され、そこから2週間延びてのデビュー。敗因がそれだというわけではありませんが、レースの水曜木曜に速い追い切りを行わなかったことも一因に挙げることはできると思います。
 坂路での動きからすれば、すぐに巻き返せる馬。理想は坂路4F53秒以下で、かつ終い最速ラップでしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート1200mから1400m]最終追い切りが坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

・3/9 阪神1R 3歳未勝利【クレアドール】(2人/4着)

 スタート標準も追っつけて先行して、4コーナーではほぼ先頭。押し切るかに見えましたが、やはり道中に使った脚が、最後まで残っていなかったのでしょう。結果的に4着。このレース内容に「次は1400mを使います」と松永幹夫調教師。
 厩舎の勝負調教である、Cコース最終追い切りならベストですが、今回と同じく坂路で終い最速ラップなら十分です。

[メモ登録用コメント] [ダート1400m]最終追い切りが坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・4歳上500万下【ディープサウス

 前走は休み明けでしたし、中間の追い切りの動きもひと息。それに比べて、今回は動きが絶好。特に12日のアウォーディーとのCコースでの併せ馬は絶品でした。

 追い切り場所は松永幹夫厩舎の勝負調教ですし、中間の追い切り本数を含めると、標準多め併用に仕上がっており、予定されている、3月16日中京芝1600m(牝)には最適な状態で出走できると思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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