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ゴールドシップ、サトノノブレスなど阪神大賞典、スプリングS、ファルコンS分析

  • 2014年03月19日(水) 18時00分


◆週末の重賞出走予定馬の追い切りを終えた馬の解説

 当欄は、水曜日の最終追い切りを終えた後での入稿になるため、週末の重賞出走予定馬の追い切り評価を書かせてもらっています。取り上げる馬に関しては、人気が予想される馬、私が気になった馬と、特に設定はありません。

 今週も同様に、評価と画像で構成させてもらっていますが、ファルコンSに出走を予定している馬たちに関しては、画像がありません。また、非常に難しい印象のあるレースでもあり、気になる馬ということで、馬名をいくつか挙げさせてもらいます。

【スプリングS/ミッキーデータ】

 2戦して1勝の身。ここで取り上げるほど、注目を集めるような馬ではありませんが、今朝19日の追い切りの動きが非常に目立っていました。3頭併せの真ん中でしたが、直線に向いてからは、常に半馬身、前に出ている状態。

 6F83.9〜1F12.2秒という時計はもちろん評価できますし、中山芝内回りというコース条件に対して、内にも外にも馬がいる状態で差せたという動きが評価したいところ。中間の追い切りも含めると、坂路調教馬になるため、レース予想で本命を打つことはないと思いますが、とにかく最終追い切りの動きを評価したいと思います。

ミッキーデータ

最終追い切りの動きを評価したいミッキーデータ(3月19日撮影)



【阪神大賞典/ゴールドシップ】

 昨年と同じ有馬記念からのローテーションですが、中間の追い切り本数が昨年とは全く違います。どのように違うのか、すごく本数が増えています。だったらいいじゃないかというのは単純な考え方で、どうして、追い切り本数が増えているかを考えないといけません。

 やはり昨秋の凡走が大きく影響しているのでしょう。有馬記念こそ、3着でしたが、まだ本来の走りだったとは思えません。この中間は確かに動きが目立っており、19日の最終追い切りでは、坂路でクリーンエコロジーを追走して先着、4F52.2〜1F12.0秒。この数字を出して評価しない方がおかしいと思いますが、やっているから、時計が出ているから、良いという安直な判断は避けたいと考えています。

ゴールドシップ

この中間は確かに動きが目立っていたゴールドシップ(3月11日撮影)



【阪神大賞典/サトノノブレス】

 前走後はノーザンFしがらきで調整し、2月27日に栗東へ帰厩。前走時の馬体重は菊花賞と比較して、20キロ増えた、514キロでしたが、すべての数字が重めだったというわけではないと思います。500キロを超えてもおかしくない馬格の持ち主だけに、馬体重に関しては、特に気にすることはありません。

 最終追い切りは、Cコースで3頭併せの最後方。直線はエアカミュゼとの追い比べでしたが、その反応はひと息。エアカミュゼの状態が相当良いのか、それともサトノノブレスの動きが今ひとつなのか。この判断に迷うところですが、6F82.8〜1F12.0秒という数字は決して遅くないだけに、ある程度は走れるだろうといった感じ。個人的には、直線に坂のある阪神競馬場は決して得意ではない判断しています。

サトノノブレス

調教の数字は遅くないがその反応はひと息にも見えたサトノノブレス(3月19日撮影)



【阪神大賞典/バンデ】

 画像は1週前、3月14日のCコースでの単走の追い切り。松田大作騎手が跨って、テンから飛ばしていく内容でしたが、その動きが秀逸。3コーナーで手綱をしごくようなシーンがあったので、この馬らしいズブさはあったのかも知れませんが、時計は速く、とにかく強調材料の多い追い切りでした。

 最終追い切りは坂路。テンはゆったり入って、後半2Fを12.5〜12.5秒でまとめる内容。前走時の追い切りに比べると、かなり遅めの時計となりましたが、前記したように、1週前追い切りが素晴らしかったこと、中2週であることを考慮すれば、こんなものでしょう。ただ、勢いに任せて連勝するなら、もっと速い時計でも良かったのかな、という印象も残りました。

バンデ

かなり遅めの時計も、1週前追い切りが素晴らしかったバンデ(3月14日撮影)



【ファルコンS】

 先週の中京芝短距離(1200m、1400m)では、坂路で追い切り本数の多い馬が好走。それを考えると、最終追い切りが栗東坂路でラスト1F最速ラップを踏めた<テーオーソルジャー>は、人気薄でも侮れない存在になりそうです。

 また、開幕週ということで「坂路での自己ベスト4F時計」を更新した、スピードタイムの馬の好走も目立ちました。4F49.2秒は自己ベスト更新、そして、出走予定馬の中でも図抜けて速い時計をマークした<ネロ>には注目すべきでしょう。

◆次走要注意

・3/15 阪神9R ゆきやなぎ賞【ヒラボクレジェンド】(6人/8着)

 未勝利戦での逃げ切りを見ると、ここでも果敢なレースぶりを期待しましたが、結果的には先行して、最後まで見せ場なし。昇級初戦ということもありましたが、やや物足りないレース内容。

 ただし、追い切りに関しては、大久保龍志厩舎の勝負調教に該当していたくらいですから、悪かったと思えません。再度、厩舎の勝負調教に該当しての出走なら、見直す必要はありそうです。

[メモ登録用コメント] [芝1800m以上]大久保龍志厩舎の勝負調教なら勝ち負け

・3/16 阪神7R 3歳500万下【プライマリーコード】(12人/3着)

 新馬勝ち時は「桜花賞」も視野に入っていた素質馬でしたが、脚がたまらない気性が災いして、ついに1200mを使うことに。その結果、最後方からメンバー最速の上がりを使うことができました。

 あとは、この距離で同じ競馬をするだけ。そうすれば、オープンでも十分に通用するでしょう。もちろん、最終追い切りは坂路で終い最速ラップが理想です。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切りが坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・若葉S【ダイシンサンダー

 前走は外枠でなし崩しに脚を使って2着。ためれば切れる脚を使えるタイプだけに、この距離ですんなり先行すれば、まず連対できると思います。

 最終追い切りはCコースで古馬との併せ馬でしたが、遅いペースを折り合って走り、最後は1F11.3秒の強烈な弾け方を見せています。まず勝ち負けではないでしょうか。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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