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コパノリチャード、ハクサンムーンなど高松宮記念、日経賞分析

  • 2014年03月26日(水) 18時00分


◆坂路は今朝26日は朝から降り続いた雨の影響で馬場閉場手前はかなりの水分を含んでいた

 先週はゴールドシップの強さに脱帽。1周目の3コーナーでの行きたがる様子に「やばいんちゃうか」と心配しましたが、そんなことは杞憂に終わりました。次走は鞍上は未発表ですが、今週末は、ゴールドシップに騎乗した岩田康誠騎手がウインバリアシオンに騎乗。その追い切り内容について、取り上げました。

 そして、なにより、今週は高松宮記念。コパノリチャード、ハクサンムーンのハナ争いは興味津々ですが、最終追い切りを終えての調教解説をさせていただきます。ちなみに、今朝26日は朝から雨が降り続いており、ウッドチップの状態は重くなっています。特に坂路は馬場閉場手前はかなりの水分を含んでいたので、ある程度の考慮は必要かも知れません。

【高松宮記念/コパノリチャード】

 重賞3勝の実績は、このメンバーでも威張れるものですが、1200mは初めて。過去5勝のうち、4勝はハナを切ってのものだけに、レース展開が大きな鍵を握ると思われますが、陣営は「ハナ宣言」をしています。ただし、この点に関しては、作戦的な部分もあると思われるだけに過信はできません。

 あとは状態。休み明けを叩いた今回は順調に追い切りを消化。最終追い切りでは、M.デムーロ騎手が跨り、マイネルアイザックを追走する内容。3F目がぐんと加速するラップになったため、ラスト1Fは止まり気味の13.0秒でしたが、きっちり先着しています。前走時と同じ相手に、同じように先着した点は評価できますが、1Fの減速が前走時よりも大きい点は気になります。

コパノリチャード

1Fの減速が前走時よりも大きい点は気になるコパノリチャード(3月25日撮影)



【高松宮記念/ハクサンムーン】

 前走オーシャンSの中間の追い切りは非常に軽い内容。なかなか良化してこないままにレースを迎えて、見せ場もなく負けるという結果に終わりました。ある程度、想像できた結果ですが、この中間は、ぐんと良化してくる。そんなイメージを持って、調整を見守っていました。

 しかし、最終追い切りを終えても、思った通りの良化は辿っていないように思います。追い切り日が常に雨降りという環境。画像は1週前追い切りで、今朝も同じような雨の中での追い切りでしたが、4F55.2〜1F12.8秒。これだけ、テンをゆっくり行って、終いはしっかり追って、この時計。馬場が悪い時間帯、これに異論はありませんが、それでも、もっと動けるはず。

ハクサンムーン

馬場が悪い時間帯でも、もっと動けるはずのハクサンムーン(3月20日撮影)



【高松宮記念/ストレイトガール】

 藤原英昭調教師がコメントしているように、昨夏からこのレースを目標に、逆算しての調整。その一環として、中京芝1200mの尾張Sを使っているように、目標に向かって、着々と力をつけているという印象を受けます。このレースで馬場を経験するとともに、中京競馬場までの輸送をこなしたという点も大きな収穫でしょう。

 レース間隔があいた今回、しっかりと追い切り本数を重ねており、とても牝馬とは思えません。最終追い切りは単走でしたが、Cコースで5F65.5秒。画像からは伝わらないかも知れませんが、動きには迫力があって、表情には力感が溢れ出ており、まさに充実一途。今の中京短距離は追い切り本数が必要なタフな馬場になっており、今回はその点に対応できる調教適性も兼ね備えています。

ストレイトガール

中京短距離に対応できる調教適性も兼ね備えているストレイトガール(3月26日撮影)



【高松宮記念/レディオブオペラ】

 前走の-14キロの馬体重。全8走で、馬券圏外になったことがない堅実な馬にも関わらず、今回が人気落ちというのは、前走で見限られたということでしょう。ならば、逆に狙ってみたいと思っていたこの中間でしたが、追い切り内容からはさほど強調できません。

 1週前追い切りが非常に軽い内容だったので、せめて、最終追い切りくらいはしっかりやるのでは、と思っていましたが、6F87.7〜1F12.2秒。向正面の走りはほぼ普通キャンター。やはり、馬体重減の影響はまだあるのではないでしょうか。

レディオブオペラ

馬体重減の影響はまだあるのでは、と思ってしまうレディオブオペラ(3月26日撮影)



【日経賞/ウインバリアシオン】

 有馬記念では、長期休養明けを叩いた良化を見せて、オルフェーヴルの2着。伸びしろうんぬんではなく、自身の現状ではフルに力を発揮したというのが、私の見解です。脚元を常に気にしなければいけないだけに、追い切り内容に変化が出た時は要注意だと思いますが、現在のところ、その心配はありません。

 26日の最終追い切りもCコース。先週と同じく、マルカファイン、プランスペスカを追走する内容でしたが、前との差は先週よりは縮まっています。先頭と1秒はないくらいで、その差を徐々に詰めて、直線は大外。最後はマルカファインとの追い比べでしたが、反応は上々。先週に比べれば、動いたけれど、有馬記念に比べるとひと息。天皇賞春に向けて、前哨戦として出走するレースですから、このくらいでちょうどよいのかも知れません。

ウインバリアシオン

先週に比べれば、動いたけれど、有馬記念に比べるとひと息のウインバリアシオン(3月26日撮影)



◆次走要注意

・3/21 中山11R フラワーC【クリスマス】(2人/7着)

 2歳時とは見違えるほど、しっかりと追い切りをこなした中間。馬体重が2キロしか増えていないのは、当然だと思いましたが、後方から末脚を試すような競馬で掲示板にも載れませんでした。

 しかし、賞金を持っているので、着順は関係ありません。むしろ、メンバー最速上がりを使えた点を評価すべきですし、もし桜花賞に出走するようなら、栗東滞在で、最終追い切りは栗東坂路。これが理想的です。

[メモ登録用コメント] [桜花賞]最終追い切りが栗東坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

・3/22 阪神11R 若葉S【サウンズオブアース】(3人/3着)

 十分に皐月賞への優先出走権を確保できると思う位置取りにいながら、最後は3着。力不足かと思いましたが、陣営に談話を聞くと「真面目に走っていなかった」とか。それであの着差なら、重賞でも十分に通用する能力があるということでしょう。

 今回は坂路での追い切り本数が多かったので、標準多め坂路でしたが、これが標準多め併用になってくるようだと、より好走確率は高くなると思います。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]標準多め併用なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・毎日杯【エイシンブルズアイ

 再三にわたって、取り上げているだけに「もう、いいよ」という方もいらっしゃるでしょう。そのお気持ち、分かります。私だって、こんなに足踏みすると思っていませんでしたから。

 でも、今朝の追い切りを見て、やっぱりここで取り上げるべき馬だと再認識しました。ラスト1F11.2秒。やっぱりモノが違います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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