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ミッキーアイル、エイシンブルズアイ、サトノルパンなどNHKマイルC分析

  • 2014年05月07日(水) 18時00分


◆7日の最終追い切りを終えてのNHKマイルC出走有力馬レポート

 今週はNHKマイルC。これから、5週連続で東京競馬場のG1レースが続きますが、どのようなレースが繰り広げられるか。個人的には、芝の内、ポケットに位置取った馬があまりにも伸びない現象が非常に気になります。逆に、4コーナーを少し外に出しながら、直線勢いをつけて伸びてくる馬の脚色が目立ちます。

 この馬場状態は単純に「逃げ不利、差し有利」というものなのでしょうか。私自身も解釈に困っていますが、それは最終的な予想結論を出す際に必要なもの。現時点では、7日の最終追い切りを終えてのレポートということにしたいと思います。

【NHKマイルC/ミッキーアイル】

 5戦4勝。うち2勝が重賞ですから、本馬の能力の高さはすでに証明済み。問題は、これまでで一番長いレース間隔となる中9週というところでしょうが、中7週の未勝利戦や中6週の前走で結果が出ていることを考えると、ローテーションは全く気にする必要はないと思います。

 むしろ、馬の充実度では、今回が一番。最終追い切りも馬体が充実しているからこそ行えた、ハードな内容。4F50.6秒は、7日栗東坂路の一番時計。終いが減速するラップではありましたが、それでも1F13.0秒にまとめるあたり、文句のつけようがありません。馬体重などに関しては5月8日公開の『激白』で音無秀孝調教師のインタビューを掲載いたしますので、そちらをご覧いただければ、と思います。

ミッキーアイル

文句のつけようがない最終追い切りのミッキーアイル(5月6日撮影)



【NHKマイルC/エイシンブルズアイ】

 勝ったと思った毎日杯が2着。この一戦を機に、マイルG1への参戦を決めたということですから、陣営としては、結果が欲しいこのレース。中間の追い切り内容などは、いつもと変わっておらず、初めての東京競馬場への輸送も気にならないといった感じ。

 また、馬自身が非常に前向きなタイプなので、やればいくらでも動きます。7日はCコースでカゼノコを追走する併せ馬。早い段階で、前に追いつきそうになったため、一旦、スピードダウンしてから、再び直線で追い抜く感じでしたが、手応えは最後まで余裕。6F82.5〜5F66.8〜4F51.8〜3F37.2〜1F11.7秒は、本馬にとって、特筆するほど速い数字ではありませんが、変に緩めるようなことがなかったのは、高く評価できるのではないでしょう。

エイシンブルズアイ

変に緩めるようなことがなかったのは、高く評価できるエイシンブルズアイ(5月7日撮影)



【NHKマイルC/サトノルパン】

 きさらぎ賞の敗戦は、栗東を帰厩する時期が遅く、追い切り本数が明らかに少ない状態。調教的に敗因が明確なこのレースを除けば、実に堅実な走りを見せています。また、2勝はどちらも坂路での追い切り本数が多い状態での勝利。少ない状態で負けるのは当然でしょう。

 最終追い切りは武豊騎手が跨っての内容。併せ馬で追走して、最後の1Fで追い出して抜け出す内容でしたが、1F13.2秒を要してフィニッシュ。もともと攻め時計の出るタイプではなく、4F54.2秒というのも、この馬にとっては極端に遅いわけではありません。最終追い切りの動きは地味ですが、追い切り本数をこなせている中間の内容は評価したいと思います。

サトノルパン

追い切り本数をこなせている中間の内容は評価したいサトノルパン(5月6日撮影)



【NHKマイルC/ホウライアキコ】

 1週前追い切りは、軽い状態の坂路馬場だったとはいえ、2F24.6〜1F12.1秒。攻め駆けするタイプとはいえ、終いのしっかりした脚は、本馬の最大の魅力。レースでも、このくらい、終いがしっかりしていると、勝ち負けできるのでしょうが、阪神競馬場の急坂は合わないのかも知れません。

 最終追い切りは相当に期待して、4F55.3〜3F40.1〜2F25.8〜1F12.8秒。ラスト2Fの時計が遅くなった分、終いも25秒を切れなかったという感じ。あえて攻めなかったという見方もできますが、せめて2F時計は25秒前後であって欲しかった感じ。桜花賞も目一杯走っているだけに、追い切り内容も加味して、これ以上の評価はできません。

ホウライアキコ

せめて2F時計は25秒前後であって欲しかったホウライアキコ(5月6日撮影)



【NHKマイルC/アドマイヤビジン】

 前走桜花賞の最終追い切りはCコース。かなり速い時計を出して、いかにもメイチの仕上げという感じでしたが、結果は6着。それだけに、この中間はどのような調整を見せるか、いろんな意味で楽しみにしていました。

 しかし、坂路では目立って速い時計を出しておらず、1週前追い切りはDコースP馬場を単走。そして、最終追い切りも坂路で4F55.6秒と控えめ。初めての東京競馬場への輸送があって、レース間隔が詰まっていることも考慮すれば、これで当然の調整かも知れません。しかし、過去に同レースを好走した牝馬は速い追い切り時計を出して、東上しており、その比較で、今回の調整は評価できません。

アドマイヤビジン

過去に同レースを好走した牝馬との比較で今回の調整は評価できないアドマイヤビジン(5月6日撮影)



◆次走要注意

・5/3 京都9R あやめ賞【カバーストーリー】(6人/7着)

 近5走以内にメンバー最速上がりを使っていて、最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップ。きっちり末脚を使える態勢は整っており、実際にも使いましたが、ペースが遅すぎて、差すことができませんでした。
 次に出走する時は馬場も荒れているでしょうし、差しが決まる馬場になっているはず。もう一度、坂路で終い最速ラップなら。

[メモ登録用コメント] [京都芝1800m]最終追い切りが坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

・5/4 京都3R 3歳未勝利【メイショウオオナタ】(5人/7着)

 最終追い切りでは、古馬オープンのシゲルササグリとの併せ馬。同クラスの馬では併せ馬の相手がいないくらいに動けていた馬だけに、馬券総合倶楽部でも取り上げさせてもらいましたが、結果は7着。伸びずバテずのレース内容でした。
 しかし、内でプレッシャーを受けながらの初レースだったことを考慮すれば上々。次走は粘り強い走りを見せてくれるでしょう。

[メモ登録用コメント] [京都芝1800m]最終追い切りが併せ先着なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・邁進特別【ケンブリッジヒーロ

 最終追い切りが坂路4F51.3秒。時計が速いこと以上に、2F目に12.9秒のラップを踏めたことが直線競馬への適性の高さを示しています。
 直線競馬初出走組では、本馬の適性が抜群。あとはなんとか出走できることを願いますし、外枠なら、より好走確率が高まるはずです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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