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ハープスター、サングレアル、ベッラレジーナなどオークス分析

  • 2014年05月21日(水) 18時00分


◆先週はヴィルシーナを推奨。この調子で今週のオークスも! といきたいところです

 先週のヴィクトリアMはヴィルシーナが優勝。追い切りの雰囲気は前走時と一変していただけに、人気下位でも当欄で取り上げました。さすがに◎を打つまでにはいきませんでしたが、予想の印は△。軸は◎ストレイトガールだっただけに、普通なら馬券的中となるところでしたが、2着メイショウマンボが抜け。3連複の配当を見ると、悔しさもありますが、自分の基本である調教から買うことができなかった馬。仕方ないところです。

 しかも、馬の状態に関して満足していなかった陣営のレース後コメントを見ると、やはり調教で評価を下げて正解だったと思います。単純にメイショウマンボの能力が牝馬同士なら、上位だったということでしょう。3連複は不的中でしたが、ストレイトガールの複勝でプラス収支でしたし、この調子で、今週のオークスも!といきたいところです。

【オークス/ハープスター】

 桜花賞はレッドリヴェールが完璧なレースをしたところを、大外から一気に差し切り。チューリップ賞から確実に状態が良化していたことを考えると、当然の結果に思えました。よって、桜花賞からオークスへ向けての上昇度はさほどない、勝手にそんなイメージを持っていました。

 ところが、1週前追い切りで、古馬を追いかけて先着する内容。これには脱帽しました。そして、この追い切り後は、躍動感の普通キャンターをCコースで見せており、一段と動ける状態になったことをアピールします。そして、最終追い切りは先週と同じ相手、ユニバーサルバンクを並んでから楽に突き放す、圧巻の動き。もう、参りました、としか言えません。

ハープスター

先週と同じ相手を並んでから楽に突き放す圧巻の動きだったハープスター(5月21日撮影)



【オークス/サングレアル】

 馬体重がデビュー以来最低だった前走が414キロ。それだけに、馬体回復がこの中間の課題かと思いきや、早い時期から追い切り時計を出し始めており、追い切り本数はローテーションの割合で見ると、今回が最も多くなります。

 それだけに、1本1本の追い切りの負荷はやや軽め。全体時計をセーブして、終い重点。それは最終追い切りも同様でした。Cコースで、ロコモーションとストレートラブが先行して、それに追いつくか微妙な位置で単走。結局、前には追いつくことはできませんでしたが、ゴールを過ぎて、1コーナーに入ったあたりで並ぶような勢い。終いは11.9秒とびっしり追われました。決して悪い動きではありませんが、これで更に馬体重が減っても大丈夫なのか。この判断が難しいところです。

サングレアル

決して悪い動きではありませんが更に馬体重が減っても大丈夫なのか。この判断が難しいサングレアル(5月21日撮影)



【オークス/レーヴデトワール】

 21日12時現在、netkeiba.comで栗東所属の3番人気に支持されているので、抽選対象ではありますが、取り上げさせてもらいました。桜花賞は後方から末脚を伸ばして5着。その反動が気になるところでしたが、5月7日から時計を出し始めて、順調に追い切りを消化してきたという感じです。

 最終追い切りはCコースで単走。ハープスターと同じ時間帯で、前方でその組が追い切っていました。それらの動きと比べると、やや迫力不足。時計的にも速くなかったので、かなり地味に映る内容でした。決してマイナス材料になるような追い切りではありませんが、逆にプラス材料も見当たらない追い切りだったと思います。

レーヴデトワール

ハープスターと同じ時間帯で、それらの動きと比べると、やや迫力不足のレーヴデトワール(5月21日撮影)



【オークス/ブランネージュ】

 前走が東京競馬場への輸送があり、今回も再度の東京競馬場への輸送。それだけに、追い切り内容が手控えられるかと思いきや、決してそのようなことはなく、1週前追い切りは坂路で一杯に追われています。

 最終追い切りはいつも通り、DコースP馬場での単走。秋山真一郎騎手が跨り、前半からペースを速めて、ラストは馬なりで流す形。ラストの伸びは少し地味に映りましたが、今回は距離が延びてのレースになるので、このくらい、おっとりしている方がよいのかも知れません。追い切り本数を減らすことなく、仕上げられている点は高く評価したいところです。

ブランネージュ

追い切り本数を減らすことなく、仕上げられている点は高く評価したいブランネージュ(5月21日撮影)



【オークス/ベッラレジーナ】

 母が2007年のオークス2着ということもあり、前走でオークスへの優先出走権を得たことはなによりだったと思います。問題は中2週というローテーションで再度の東京競馬場への輸送。あまり大きな馬ではなく、少しの馬体減がレースに及ぼす影響は大きいと思われます。

 それを考慮したのか、時計を出したのは最終追い切りの坂路1本。ローテーションと再度の輸送を考慮すれば、当然のことかも知れません。ただ、過去10年のオークスで追い切り本数が少ない馬の馬券圏内は皆無。この馬自身にとっては、悪くない調教でも、レースへの調教適性は低いという評価になります。

ベッラレジーナ

この馬自身にとっては、悪くない調教でもレースへの調教適性は低いベッラレジーナ(5月20日撮影)



◆次走要注意

・5/17 東京3R 3歳未勝利【マックスカオル】(3人/5着)

 初出走でしたが、馬体の仕上がりは上々。気合乗りも良く、既走馬相手でも十分通用するというのが、パドックでの印象でしたが、返し馬に行くと、やや反応の悪いところを見せていました。
 案の定、ゲートを出遅れて後方からのレース。それでも、メンバー最速で上がってくるあたり、能力は未勝利では上位。次走は坂路で追い切って、終い最速ラップなら勝ち負けでしょう。

[メモ登録用コメント] [1400m以下]最終追い切り美浦坂路でラスト1Fが最速ラップなら勝ち負け

・5/18 東京11R ヴィクトリアM【ウリウリ】(5人/16着)

 状態に関しては、最高潮だと判断していましたが、18番枠はこの馬本来の良さが全く活かされないだろうという予想はできました。
 着順だけを見れば、大惨敗ですが、着差は0.9秒。完全に枠順が影響したものだと思いますし、馬体重が減っているのは、特に影響なかった様子。マイル以下なら見限ることができない存在だと思います。

[メモ登録用コメント] [芝1600m以下]最終追い切り栗東坂路で1F12秒前後なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・3歳500万下【フルールシチー

 少し時計の掛かる栗東坂路で4F51.6秒。ソエが良化して、追い切りの動きも良くなったこの中間。レース間隔こそ、あいていますが、本数はこなさなくても、結果が出せるのが、西園正都厩舎。51秒台2本で十分通用すると思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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