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アスカノロマン、グレナディアーズ、レッドアルヴィスなどユニコーンS分析

  • 2014年06月18日(水) 18時00分


◆今週は重賞だけでなくOP特別、そして秋に繋がりそうなレースも含めて取り上げました

 先週から函館競馬が開幕し、栗東から函館競馬場へ滞在している頭数も多いということで、今朝18日の追い切りも通常時よりは落ち着いていました。それでも、宝塚記念の出走を予定しているゴールドシップやウインバリアシオンが追い切りという時間帯には、報道陣、カメラマンが集結して、春のグランプリの盛り上がりを感じます(前記2頭の1週前追い切りについては、トレセンニュースをご覧ください)。

 ただ、今週の重賞レースに関しては、函館SSの追い切りは現地で行われており、ここで取り上げるべき重賞はユニコーンSのみ。そんなわけで、今週は重賞だけでなく、オープン特別、そして、これから秋に繋がりそうなレースも含めて、取り上げてみたいと思います。

【ユニコーンS/アスカノロマン】

 ダートに転戦して以降、4着以下がないという堅実なレースぶり。加えて、大きな特徴は中3週の前走でも、追い切りは2本しか行っておらず、中間の調教本数が少ない。これは川村禎彦厩舎の特徴といってもよいでしょう。

 その上、最終追い切りは非常に軽め。18日も単走で、向正面では、ある程度速めのラップを踏むものの、3コーナーからは非常にゆったりフットワーク。最後まで流す感じで走っており、時計は6F88.7〜5F71.4〜4F55.3〜3F41.9〜1F13.6秒。他馬との横の比較をすれば、決して評価できる数字ではありませんが、自身にとっては前走とほぼ同じ時計。あとはユニコーンSで好走するにあたって、この調教内容で適性が高いかどうか、それに尽きます。

アスカノロマン

前走とほぼ同じ時計のアスカノロマン(6月18日撮影)



【ユニコーンS/グレナディアーズ】

 新馬戦を芝1600mで勝ったものの「ダート適性の高さは、血統面から予知していた」と音無秀孝調教師。前走の勝ちっぷりは、それを実証する内容となりました。ちなみに前走の追い切り内容は、坂路で4F時計はそれなりに速いものの、ラスト1Fが13.2秒と遅めでした。

 この中間も坂路での追い切りですが、最終い切りは4F53.5〜1F12.4秒。過去の坂路追い切りを遡っても、1F12.5秒を切ったのは、この最終追い切りが初めて。全体時計が遅めだといっても、前走時の最終追い4F54.1秒よりは速い、4F53.5秒。状態に関しては、非常に良いと判断してよいでしょう。

グレナディアーズ

状態に関しては、非常に良いと判断してよいグレナディアーズ(6月17日撮影)



【ユニコーンS/レッドアルヴィス】

 休み明けの前走は「やや仕上がり途上」とレース前にコメントしていた安田隆行調教師。確かに中間の追い切り本数は少なく、馬体重が8キロ増えていた点からも、万全でないことは明確でしたが、レース内容は高い評価ができると思います。

 中1週ですが、6月15日には坂路で15-15の時計が出せる状態。最終追い切りは単走でしたが、終い重点で、坂路4F55.2〜3F39.8〜2F25.5〜1F12.6秒。これまでの2勝はいずれも、トラック馬場での追い切りだったので、その点は気になりますが、レース間隔を考慮すれば、坂路でも問題ないでしょう。

レッドアルヴィス

レース間隔を考慮すれば、坂路でも問題ないレッドアルヴィス(6月17日撮影)



【米子S/ブレイズアトレイル】

 昨年の同開催で、500万下を使った後、中京開催で同クラスを勝ち、その後にマイル戦で3連勝しました。距離適性はもちろんですが、冬から春のかけての成績を見ると、夏場を得意にしている印象があります。

 この中間は、ノーザンFしがらきに放牧に出されていたので、いかにも休み明けというのが、18日の動きでしたが、もともとCコースでの追い切りは動かない馬。これがDコースP馬場だったら、もっと動いていたように思います。阪神マイルには実績がなく、人気にはならないかも知れませんが、馬券的には、ちょっと注意した方がよいと思います。

ブレイズアトレイル

馬券的にはちょっと注意した方がよいブレイズアトレイル(6月18日撮影)



【芦ノ湖特別/ヴォルシェーブ】

 前走セントポーリア賞では、後に青葉賞を優勝するショウナンラグーンを負かして勝利。日本ダービーへ向けて、非常に注目していましたが、脚元の関係で小休止。しかし、結果的には、それが良かったように思えます。

 帰厩してからの動きは非常に好調。18日はCコースで内田博幸騎手が騎乗して、ヴィルシーナを追走する併せ馬でしたが、最後まで手応えに余裕がある状態で先着。1週前追い切りの時点で、十分に動ける印象でしたが、今週の動きで完璧に仕上がったと思います。あとは、初めての距離と古馬との対決。この点だけクリアできれば、秋の大きな舞台での活躍が期待できるはずです。

ヴォルシェーブ

古馬との対決をクリアできれば、秋の大きな舞台での活躍が期待できるヴォルシェーブ(6月18日撮影)



◆次走要注意

・6/15 函館5R 2歳新馬【エクシードリミッツ】(2人/14着)

 函館競馬場での追い切りが、5F時計の遅いものだったので、その点だけ心配していましたが、コーナーを周回できずに惨敗。調教再審査も覚悟しましたが、注意で済みました。
 次走はレース慣れも見込めるはずなので、巻き返しに期待。POGでも強く推奨した馬だけに、巻き返してもらわないと。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]須貝尚介厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

・6/16 東京10R 多摩川S【ロードガルーダ】(5人/5着)

 最終追い切りで自己ベストを更新する絶好の状態。強いメンバーだったとはいえ、それで5着なら、距離短縮の道しかないでしょう。
 後方からレースをして、1200mがベストというのが、私の見解。もちろん、追い切りはラスト1Fが最速になるラップが理想です。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切りが栗東坂路でラスト1Fが最速ラップなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【タガノアラシ

 良血馬も揃う新馬戦ですが、Cコースでの動きが目立っているのは、この馬。将来性うんぬんではなく、今回の馬券に関しては、この馬から狙ってみたいと思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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