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ここを勝ってメジャーエンブレム最大のライバルに/チューリップ賞

  • 2016年03月04日(金) 18時00分


桜への最重要トライアル

 過去10年間で、07年ダイワスカーレット、09年ブエナビスタ、10年アパパネ、12年ジェンティルドンナ…など、ここを最終ステップに選んで桜花賞を勝った馬が「7頭」もいる最重要トライアル。その7頭のチューリップ賞の成績は「2,1,2,4,3,1,3」着なので、別にここを勝つ必要はないが、2月23日の「クイーンC」1600mを驚異の1分32秒5。従来のレースレコード1分34秒0を「1秒5」も短縮して5馬身差の独走を決めたメジャーエンブレム【4-1-0-0】に対抗するためには、本番が楽しみになるようなレースを展開させなくてはならない。

 人気のジュエラー(父ヴィクトワールピサ)には、M.デムーロ騎手の重賞騎乗機会「6連勝」の新記録もかかっている。成績、秘める能力以上に売れる危険はあるが、桜花賞候補を探すのがテーマのチューリップ賞で、人気を考え、配当の妙味は○○にあるなどと脱線すると、本番での軌道修正が利かなくなる危険がある。素直になりたい。

 1分34秒1で男馬のロジクライが勝った1月の「シンザン記念」のクビ差同タイム2着馬が、ジュエラー。1分34秒2で3着だったシゲルノコギリザメはあのあと「クロッカスS4着→アーリントンC12着」。1分34秒4で5着だったレオナルドは、先週の「アーリントンC4着」。1分34秒5で6着だったレインボーラインがその「アーリントンC1着」となったものの、アーリントンCは1着から6着まで「ハナ、ハナ、クビ、アタマ、クビ」差の大接戦。レベルの高いマイラーが何頭もいたから大接戦になったというより、シンザン記念も、アーリントンCもレースレベルはあまり高くないのだろう。

 だが、ジュエラーはそのときまだ2戦目。スタートで寄られて下がり、馬群をさばきながら直線外に出て全力スパート開始は、残り300mくらい。上がり34秒5は断然NO,1だったが、実際の切れ味はあのメンバーでは抜けていた可能性が高い。あと1-2完歩でロジクライを交わせそうに思えた。

 父が変わって、半姉ワンカラット(父ファルブラヴ)よりこなせる距離の幅ははるかに広く、父ヴィクトワールピサの良さを受けるなら、もともと距離不安のない牝系なので2400m級も平気だろう。中間の動きも文句なしである。

 ここを順当に勝つようなら、桜花賞でメジャーエンブレムの最大のライバルとなり、オークスではメジャーエンブレムを上回る評価を受けて不思議ない馬として期待したい。

 エルフィンSの強烈な切れが光ったレッドアヴァンセ(父ディープインパクト)と、立て直してきたデンコウアンジュ(ただ1頭メジャーエンブレムに土をつけている)、身体を大きく見せるクロコスミア(父ステイゴールド)が相手大本線。伏兵は多いが、以下は押さえにとどめたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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