切れ味につながる55キロ
頭数こそ多くないが、11月20日のGI「マイルCS」に挑戦の展望を持つ馬がそろった好カードになった。負坦重量のベースは「3歳54キロ、4歳以上56キロ(牝馬2キロ減)」。そこに期間内のGIII〜GI勝ちがあると1〜3キロが増量される別定戦。
マイルCSは短距離区分のレースなので、ジャパンCや、有馬記念とは異なり、「3歳馬56キロ、4歳以上57キロ(牝馬2キロ減)」の定量戦になり、3歳馬と4歳以上馬の負坦重量の差は「1キロ」だけである。もう差はないだろう、と。
しかし、実は2001年以降、3歳56キロ、4歳以上馬57キロ(牝馬2キロ減)になってからの3歳馬は、マイルCSを1回も勝てないでいる。たった1キロとはいえ、負坦重量増は非常に大きいのである。
そういう時期になったことを考えると、このレースは特殊な別定戦で、人気の
ロードクエストが55キロで、
イスラボニータ58キロ。「
ダノンプラチナ、
ガリバルディ、
フルーキー、
ヤングマンパワー」がそろって57キロという別定重量は、3歳ロードクエスト(父マツリダゴッホ)に大きな利があるはずである。
マイル重賞【2-1-0-0】。新潟2歳S1着。NHKマイルC2着。京成杯AH1着のロードクエストは、どちらかというなら、直線勝負に徹することができる左回り向き。あまりタフなタイプにはみえなかったが、この春「スプリングS→皐月賞→NHKマイルC→日本ダービー」、適距離より長いのではないかと思えるレースを含めて立て続けに厳しいレースに挑戦し、へこたれなかったから立派なものである。ここはスローの上がり勝負になる公算大。他の有力馬より明らかに軽い55キロが、切れ味につながる。
58キロでも久しぶりに前肢が大きく前に伸びる素晴らしい動きをみせたイスラボニータと、復活して欲しいダノンプラチナが本線。ダノンプラチナは昨年のこのレースを快勝した際、人気のサトノアラジンに騎乗して差されたルメール騎手が唖然とした当時のバネはまだ戻っていない印象はあるが、不振だったここ3戦とは違ってきた。上昇中である。穴馬は急上昇中の4歳馬56キロの
ブラックムーンか。