接戦してくれると西の「能力基準」の1頭になる
今年のメンバーの中に、2012年のエピファネイア、2010年マーベラスカイザー、2009年ヴィクトワールピサ、2008年アンライバルド(3着)が代表するような後のビッグレースの勝ち馬が含まれるのか。なんとも言えないが、頭数は少なくても注目馬が含まれている。
先週の「東京スポーツ杯2歳S」では、早くも3勝馬(重賞2勝)のブレスジャーニー(父バトルプラン)が出現した。競優牧場生産馬。一見、地味な血統などと言われたが、父は世界の注目種牡馬エンパイアメーカーの直仔であり、3代母はダイナカール。いま、無名の血統を持つ馬などいないが、大変な良血馬に近い。3連勝がすべて東京1600〜1800mであり、また接戦した馬がいるので、自身が候補になっただけでなく、早くも関東のオープン馬の「基準」の能力を秘める馬となった。
「京都2歳S」の有力馬の1頭
プラチナヴォイス(奇しくも父はエンパイアメーカー)は、祖母スターズインハーアイズ(父ウッドマン)が、ブラックタイド、ディープインパクト兄弟の半姉になる。こちらも東のブレスジャーニーと同じように注目の血統背景を持つと同時に、早くも1800mで4戦2勝なので、ここで勝ち負けに持ち込むか、接戦してくれると西の「能力基準」の1頭になる。
この時期にもう5戦目となると、流儀はあっても候補としては明らかに使いすぎだが、この中間も元気いっぱい。さらに鋭くなっている。
対する人気の中心
ヴァナへイム(父キングカメハメハ)は、母がグルヴェイグ(父ディープインパクト)である。母グルヴェイグは、その2代母がダイナカールになる。
ダイナカールの牝系と、エンパイアメーカー(直仔バトルプラン)の父系と、ディープインパクトが絡み合った馬ばかりが出現してしまった。プラチナヴォイスも、ヴァナヘイムも人気馬だから馬券を買うというより(もちろん参加するが)、だんだん勢力図の基盤ができていくのを見守るレースということか。
外国産の
ベストアプローチは、父が2008年の英ダービー馬ニューアプローチ。その父ガリレオも2001年の英ダービー馬。力感たっぷりの馬体と、力強いフットワークは、スケールは満点でもひょっとすると高速馬場向きではないような印象もある。やっぱりここは軽く参加にとどめて、東スポ杯の映像とダブらせながら、レースをじっくり見ることにしたい。