公営の4歳アジュディミツオーを狙いたい。中央競馬に初登場の前走は、59kgで距離不足の1600m。4着に負けはしたが、東京ダートを経験できた。好位でタメも利き、ステップレースとすれば上々だろう。もとより秋の大目標がこのレースだった。
今春、4歳馬ながらドバイワールドCに挑戦。力及ばず失速したものの、6着なら上々。昨年挑戦したアドマイヤドン(ジャパンCダート3、2、2着)などより、レースぶりは良かった気もする。この馬、大井のダート2000mを連続して2分02秒6で乗り切り、タイムパラドックス(昨年のジャパンCダート勝ち馬)に2度ともに先着している。父アジュディケーティングは中央ではダンチヒ系のダートの短距離馬を送る程度で評価は高くないが、公営の種牡馬ランキングは2001年以降1、1、1、1位。今年もトップを独走している。ダンチヒ系の世界の中〜長距離GIへの驚異的な広がりは知られるところで、ジャパンCの英ウィジャボードの父や、デザートキング、ピルサドスキー、シンダーなどの父系もみんなダンチヒが出発点。距離適性の幅はどんどん広がっている。
アジュディミツオーの牝系はもう1世紀も日本が育てたフラストレート系で、プリメロやトウルヌソルが基盤。母の父ジャッジアンジェルーチ、その前がトンピオン。渋すぎるが、アメリカを象徴するダート血統そのものの血で、丈夫でタフで、いつか大物を送り出すチャンスをうかがっていた。そういうムードだ。公営馬というとどうしてもランクは下にされるが、記録はタイムパラドックスや、アドマイヤドンより一枚上。ジャパンCダートで通用の裏付けはある。
未対戦の馬や外国馬は怖いが、この距離2100mなら、人気の3歳カネヒキリと少なくとも互角だろう。狙う価値はある。もう1頭、左回りのダート1、1、1着。2300m戦で好走しているサカラートも魅力。アフリートは今春の米2冠を圧勝のアフリートアレックスの祖父となったように、短距離限定ではない。こちらも3走前、長丁場でタイムパラドックスに勝っている。鞍上はL.デットーリ。脚質はたしかに単調だが、とても簡単にバテるとは思えない。相手の筆頭としたい。