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【日本海S予想】トウカイテイオー一族の後継者がOP入り目指す

  • 2022年08月19日(金) 18時00分

牝系ファミリーに浮沈の歴史あり


 人気の5歳ロバートソンキーは、ルーラーシップ(その父キングカメハメハ)産駒。母は、天才種牡馬サンデーサイレンスの直仔。2020年の菊花賞で伏兵としてコントレイルの6着。再三の休養で、順調に出走していないが、格下の3勝馬として挑戦した前走の天皇賞(春)も18頭立ての7着。

 キャリアはまだ9戦【3-1-2-3】。入念に乗り込んできた今回は、オープン馬に出世のチャンスだろう。紛れの生じやすい内回り2200mがちょっと気になるが、左回りコースは【3-1-1-0】。距離に不安はない。

 表面に出てくる血統は現代の活躍馬の典型だが、牝系ファミリーには浮沈の歴史がある。母トウカイメガミの名前から推測できるように、ジャパンCなどGI4勝馬トウカイテイオーの一族。祖母トウカイテネシー(父シンボリルドルフ)が、トウカイテイオーの全妹になる。

 トウカイテイオーはその6代母が1937年、第6回の日本ダービー馬ヒサトモ(通算成績31戦16勝とされる)であり、繁殖牝馬名「久友」の流転の物語は知られる。残した一本の細い糸が途中で切れそうになりながらも途切れずに現代につづいてきた。

 一族の代表馬トウカイテイオーには、公営で142戦6勝のクワイトファイン(12歳)が後継種牡馬に残っているが、シンボリルドルフ(父パーソロン)の直父系は消えつつある。また、ロバートソンキーの近親になる牝系ファミリーの馬はまだかなり存在するものの、必ずしも勢いのある著名牝系ではなくなった。

 一般に、サイアーラインの何代もの連続は難しいが、牝系ファミリーは、勢いのあるその時代の活躍種牡馬の影響力を味方にして、名前の知られる活躍馬が出現するとたちまち評価を取り戻せることがある。 

 9戦3勝のロバートソンキーは、ここを勝てばオープン馬。あのトウカイテイオーの一族だと知られることになる。コンビで【2-1-2-2】の伊藤工真騎手のお手馬だ。

 動きのいいスルーセブンシーズ、コース実績のあるエドノフェリーチェ、上昇中の4歳アールドヴィーヴルが相手本線。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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