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【BSN賞・朱鷺S・小倉日経OP・新潟2歳S予想】今週は複数のレースの出走予定馬の調教をチェック!!

  • 2022年08月24日(水) 18時00分

各馬気になる調教ポイントを徹底解説!


 先週末は札幌競馬場でお仕事。金曜日午後から現地へ移動しましたが、雨が降った影響もあってか、涼しかったですね。札幌記念当日は晴天でしたが、それでも「嫌な」暑さではなく、なんだか爽やかな感じ。レースは藻岩山テラスから観戦しましたが、風が吹くとこれまた落ち着いた感じになって、いや〜、本当に札幌はいいですね。月曜日に本州へ帰ってきましたが、空港の建物を出た瞬間にジワッと嫌な汗。なんだか異国から帰ってきたくらいの気持ちになりました(笑)

 札幌記念をライブ観戦できたことが一番の収穫ですが、最終レースに行われたトラッキングシステムを確認できたことも大きいですね。慣れていないこともあり、レース中にはその実用性をあまり感じなかったのですが、その時に撮影した画像をあらためて見直すと、実際の馬群が忠実に表現されていて、これはレース分析に役立ちそうですね。

【BSN賞/ヴァンヤール】

 前走が3勝クラスを勝ったばかりですが、その後の調教量が実に豊富。7月中は坂路中心でしたが、週中、週末ときっちり本数をこなし、8月に入ってからはCWも併用。8月21日には左回りのCWで6Fから時計を出しており、この負荷は大きな意味を持ちそうです。

 前走時に比べると、最終追い切りが坂路で4F53.2秒は全体時計が遅くなりましたが、4F目が12.5秒で最速ラップ。1週前追い切りでは坂路4F51.7秒をマークしていますし、決して時計的な負荷が軽くなったと判断すべきではないと思います。

【朱鷺S/ララクリスティーヌ】

 3歳1月には紅梅Sでソングラインの2着。その後は確実にステップアップするようにクラスを上がっています。今回は2月以来のレースで休み明け。ここがひとつのポイントになるかも知れませんが、たとえ仕上がり8分でもオープン特別なら勝ち負けしないと、そう思わせてくれるだけのスピードを見せた動きがこの中間です。

 最終追い切りはCWで新馬2頭を引き連れて先行。前に行ったので、手応え優勢で先着は当たり前なのですが、この馬自身が最後の直線を11.6秒、11.3秒と2F23秒を切るラップでまとめたところに意味があります。これは先週の22.7秒に続く、22秒台。個人的にはこの距離で楽に先行するスピードがあるだけに、最後の直線でこうやって速い脚を使えることがひとつの好走パターンだと見ています。

調教Gメン研究所

直線で速い脚を使えるかがポイントとなるララクリスティーヌ(写真手前、8月24日撮影)


【小倉日経OP/シュヴァリエローズ】

 netkeiba.comの24日午後時点での予想単勝オッズは1番人気。古馬になってからオープン勝ちはないものの、常に堅実な走りを見せているという点が評価されているのかも知れません。ただ、個人的には他とあまり差のない実力ではないかという気もするだけに、実際にも人気するようなら、どうなんだろうと思ってしまいます。

 休み明けですが、追い切り本数が少ないのはいつものこと。福島民報杯2着時とあまり変わりないといってよいと思います。ただ、今回は最終追い切りが坂路4F56.9秒と時計が遅い点がどうか。福島民報杯時はCW6F86.8秒で、これもCWにしたら遅い時計ですが、こちらはトラック馬場。このあたりの微妙な違いが結果に影響しないとも限りません。

【新潟2歳S/アイスグリーン】

 デビュー戦は5着でしたが、距離が1F延びた小倉芝1800mの未勝利で勝ち上がり。2戦目でしっかりと結果を出したという感じだと思いますが、今回は左回りのマイル。少し条件が違うだけに、これがどうかでしょう。

 ちなみに8月21日の左回りのCWで6Fから併せ馬を行っていて、左回り対策はきっちり行われています。その分なのか、1週前追い切りはこれまで2戦とは違って、坂路になりましたが、これに関してはさほど問題ないと思います。むしろ、最終追い切りは坂路で2F24.8秒で1F12.3秒の4F目最速ラップ。映像で動きを確認したいと思いますが、数字からイメージするに、切れのある走りだったのではないかと思います。

調教Gメン研究所

切れのある走りを披露したアイスグリーン(8月23日撮影)


【新潟2歳S/チカポコ】

 デビュー戦はゲート試験後も栗東に在厩したままでの調整。1本だったとはいえ、CWでの併せ馬を課し、その時計は6F82.9秒。きっちりと負荷をかけた内容でしたし、坂路での4F60秒を切る時計の追い切りは3本。1ヶ月以上時間をかけて、じっくりと追い切りを積んできたという印象です。

 その結果が勝利だとすれば、今回は追い切りが2本。これはかなり少ないと思います。また、前回は3週前追い切り以降、週中の追い切りは常に併せ馬。今回は1週前、8月19日の坂路が単走ですから、そういった意味での負荷もかなり軽くなった今回といった感じがします。

調教Gメン研究所

今回は負荷がかなり軽くなったチカポコ(8月23日撮影)


◆次走要注意

・8/21 手稲山特別【スリーパーダ】(2人/2着)

 18キロの馬体重増加。これは間違いなく滞在した効果でプラス材料だったと思います。ほぼ勝てるようなレース内容だっただけに、クビ差2着は結果を出したといってよいでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<札幌芝1200m>
◎前走最終追い切り馬なりから今回最終追いが強めもしくは一杯
○最終追い切りトラック馬場ラスト1F最速ラップ
○追い切り本数が標準以上の併用系統

 手稲山特別は○◎の決着。あまり輸送のことを考えずに追い切りを強化することが好走に繋がっているんだと思います。また、今開催の札幌芝はすごくパワーを必要とする見た目なので、そのあたりも強い追い切りが好走する要因になっているのかも知れません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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