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【秋華賞予想】世代屈指の素質馬が春の雪辱を果たす

  • 2022年10月15日(土) 18時00分

完勝した3走前の再現が望める


 かつては「桜花賞」出走馬の好成績が目立ったが、現在は「オークス」との結びつきが強烈。最近10年、秋華賞で3着以内に好走した30頭中、20頭までが春のオークス出走馬によって占められる(桜花賞出走馬は14頭)。

 また、秋華賞に出走した最近10年のオークス馬は【5-1-0-1】。さらに春の2冠牝馬の成績は【3-0-0-0】である。現在、オークスからの直行馬が4年連続勝ってもいる。したがって、スターズオンアース(父ドゥラメンテ)が人気の中心は当然。かなり強気になれる。

 ただ、牝馬限定戦は、どの馬も過信禁物。そうそうパターン通りに決まるとは限らない。今年の上位人気馬には大きな差はないともいえる。

 距離に大きな不安のあったオークスを0秒4差の3着したナミュール(父ハービンジャー)の逆転に期待したい。そのオークス以外は、大外枠、出負けなどのロスを克服し、5戦連続すべて上がり「33秒台」。春の2冠は、馬体重が426キロまで細化しギリギリの印象があった。

 上がり33秒0で最後は馬なりで楽勝した2歳秋の赤松賞は、馬体重440キロ。0秒5差の3着がスターズオンアースだった。充電期間を取った今回は、馬体は回復。かつ成長して木曜計測で456キロ。阪神JFや桜花賞のような大外枠ではない。前が詰まりつつ進路を変更して楽勝したチューリップ賞の再現が望める。

 牝祖格のクインナルビー(秋の天皇賞馬)から発展した牝系は、今はもう伝説のオグリキャップ、昨秋の米GIを勝ったマルシュロレーヌなど、意外性豊かな一族であり、桜花賞馬の3代母キョウエイマーチは1997年の秋華賞を2着している。

 当然、オークス組が主力だが、近年侮れないのは紫苑S組。重賞になってまだ6年、計6頭の連対馬「1、2着」を送り、ローズS組を圧倒している。勝ったスタニングローズ、粘ったサウンドビバーチェだけでなく、上がり34秒6で1、2着馬と0秒1差の3着に突っ込んだライラックは怖い。サウンドビバーチェは他馬に蹴られて除外となったが、みんなオークス組でもある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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