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【共同通信杯・京都記念】これからの競馬を牽引する馬を見つけるレース

  • 2023年02月11日(土) 12時00分

東京の長い直線にぴったりなのは


 共同通信杯は、その勝ち馬からこの10年で6頭ものG1馬が出ている。その中には3頭もの皐月賞馬が含まれていて、その他に去年の2着馬ジオグリフも皐月賞を勝っていたし、言わばこれからの競馬を牽引する馬を見つけるレース。

 一方の京都記念は、すでに実績を上げたものが、今後を見すえて新たな目標を立てて出走するケースが多く、その中には、今年のように復活というテーマを持つものもいる。

 共同通信杯の勝ち馬で印象深いのが、最近では2年前のエフフォーリアだ。8月の札幌でデビュー勝ちし、11月の東京でも勝って2戦2勝、3ヶ月の休養があって3戦目がここだったが、圧巻の2馬身半差で、横山武史騎手は「思っている以上に力をつけてくれた」と3連勝で皐月賞に向かっていた。

 そして、クラシックは皐月賞1着、ダービー2着と世代トップクラスの戦績。秋は、天皇賞、有馬記念と走って古馬陣を制して優勝し、年度代表馬にまで上りつめていた。この年の共同通信杯3着馬シャフリヤールは、その後ダービー馬になっていたので、とにかくレベルの高いレースだったと言える。

 今年もどの馬に可能性を見出すかだが、これまでの戦績だけでは、到底、推し量れるものではない。1800米という距離、東京の長い直線を考えて、ゆっくりしたペースに折り合えて、末脚が切れるタイプを取り敢えずみつけておきたい。

 3戦1勝ながら、前走このコースでクビ差までつめて2着だったダノンザタイガーは、長くいい脚を使え確実性がある。2戦目がGIで3着、11月の東京のデビュー戦では圧巻の勝利だったレイべリングは、能力は高そうだ。長い放牧で成長を促したウインオーディンは、これまでの3戦で見せた切れ味が、東京の直線にぴったりだと思うので、マークしておきたい。

 一方の京都記念は、一昨年の年度代表馬エフフォーリアが長い低迷から甦ることが出来るか、昨年のダービー馬が昨秋のフランス遠征の屈辱から立ち直れるかと注目されており、復活がひとつのテーマになっている。

 最近では、2年前に1年9ヵ月ぶりにオークス以来の復活勝利を飾ったラヴズオンリーユーの勝利が印象深い。4連勝でオークスを勝ってから、その後勝利から遠ざかっていたが、走りのバランスを改良し、道中の力みを少なくしたことが最後の鋭い伸び脚につながっていた。

 心機一転のドウデュースは、ダービーで負かしたイクイノックスが年度代表馬になったこともあり、改めてこの一年のスタートを切りたいところ。エフフォーリアは、阪神でのGI戦で2度大敗したリベンジがかかっている。

 2頭以外では、4歳馬の可能性に賭けたい。前走勝って復調したGI馬キラーアビリティ、2連勝した上り馬インプレス、前走3着で成長を感じたプラダリアなど持久力がもとめられる阪神でどう走るか。

「道ひらけ 明るい未来 見えてきた」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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