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【キーンランドC・新潟2歳S予想】人気を集めそうなナムラクレアの調教内容は?

  • 2023年08月23日(水) 18時00分

先週の札幌で感じた、レース当日の馬場が与える影響の大きさ


 先週は金曜日から札幌へ。土曜日はウインズ札幌での仕事でしたが、札幌のレースを見ていると1Rから時計の速い決着。これはその時点で入稿済みだった予想コラムの的中を予感させるものだったんですが。ウインズのイベントが終わると雨がパラついたものの、馬場に影響を与えるほどのものではなく、夜の開陽亭からシメパフェという時間帯も雨は降っていませんでした。

 ところが翌朝起きてみると、かなり本降りの雨。馬場は稍重でしたが、札幌記念の勝ち時計は2分1秒5。昨年とあまり変わりない時計で、結局、併用調教馬が圧倒という形になりました。もちろん、プログノーシスは強い馬なので、調教適性というよりも能力を発揮するにあたり、その調教内容もうまくマッチした形だと思いますが、やっぱりレース当日の馬場が与える影響というのは大きいですよね。

【キーンランドC/ナムラクレア】

 昨夏は函館スプリントSから北九州記念というローテーションでしたが、今年はヴィクトリアマイル後にここ1本での調整。かなり早い時期に帰ってきたので、今年も北九州記念かな、と思ったくらい。CWでの追い切りもやるごとに熱気を帯びるというか、栗東での最終追いとなった8月9日のCWなんかは4F49.8秒、3F36.1秒と素晴らしい時計でした。

 函館へ移動してからも順調に追い切りを消化しているようで、1週前追い切りは函館芝で古馬OPヴァトレニとの併せ馬を楽々と先着。坂路での追い切りが中心だった昨年の函館スプリントSとは調教パターンが違いますが、状態に関してはすこぶる良好という感じでしょう。

調教Gメン研究所

順調な追い切りをしているナムラクレア(7月26日撮影)


【キーンランドC/ジュビリーヘッド】

 昨年のキーンランドCは中間を函館競馬場で調整、最終追い切りを札幌競馬場というパターン。最終追いは単走でしたが、札幌芝で5F61秒台と速い時計でした。今年はその時計がオーバーワークになったかも、ということを踏まえ、時計が速くなりすぎない最終追いを敢行。そして「函館競馬場の芝コースを使えたので、火曜日に追い切りました」と安田隆行調教師。

 今年は併せ馬で4Fが51秒台。時計自体は昨年の函館スプリントSで2着、併せ馬も行った51秒台という意味では前走の最終追いとほぼ同じです。ただ、函館スプリントSの好走は栗東の坂路で追い切ってからの北上。昨年のキーンランドCでもこれを懸念していただけに、最終追いの時計が改善されただけでは、だろうかという気がしています。

【新潟2歳S/ルージュスタニング】

 デビュー前、6月14日のCWでの追い切り。ラスト1Fが11.3秒ではありましたが、結構しっかり追われて6F85.7秒。友道康夫調教師も口にしている「ダート」馬なのかなと思う追い切りでしたが、その後がやるたびに良くなる追い切りといった感じ。最終追い切りの芝での併せ馬も軽快に動き、その結果が勝利だったと思います。

 この中間のCWでの追い切りも抜群。特に1週前追い切りのCWは3頭併せでしたが、一番後ろから追いかけて、ゴール前はあっという間に抜け出してきました。最終追い切りは坂路で軽くなりましたが、これで十分。あとは上がり33秒台の決着になった時にどう対応できるかというくらいでしょう。

調教Gメン研究所

中間のCWでの追い切りも抜群の動きをしているルージュスタニング(8月22日撮影)


【新潟2歳S/エンヤラヴフェイス】

 デビュー前から追い切りの動きが素晴らしく、当時の1週前追い切りが坂路で2F23.6秒、1F11.7秒ですから、2F続けて11秒台かつ最速ラップという脚力を見せていました。レース結果は2着に5馬身差つける完勝。追い切りの動きがレースに繋がった形です。

 前走は週末にCWで追い切っていましたが、今回は週末も坂路。8月20日に坂路で4F51.7秒をマークして、これが自己ベストを更新する時計でした。そんなこともあって、1週前追い切りと最終追い切りはともに坂路4F54秒台。52秒台だった前走と違う点がどうかでしょう。

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坂路で自己ベストを更新したエンヤラヴフェイス(8月22日撮影)


【新潟2歳S/ヒヒーン】

 デビュー前は新馬勝ちしたテラメリタと併せていましたが、この馬の方がいい動きするかも、と思ったのが、芝馬場での3頭併せ。そして、最終追い切りのCWでは時計こそ地味でしたが、新馬相手に追走先着の動きを見せて、レースでもしっかり勝ち切るという内容でした。

 少しレース間隔のあいたこの中間ですが、CWでの追い切りをしっかり課しています。特に1週前追い切りの3頭併せは6F79.1秒という時計はもちろん、動き自体に余裕があって、3F36.2秒というラスト3Fの数字も抜群。最終追い切りは坂路で軽くなったようですが、今回のパターンで好走できるようだと、これから安定したレース結果を期待できる馬になりそうです。

調教Gメン研究所

レース間隔が少しあいてもしっかり追い切りを課しているヒヒーン(写真中央、8月10日撮影)


◆次走要注意

・8/20 2歳新馬【ウールデュボヌール】(2人/1着)

 パドックでもたまに何かに驚いたような仕草を見せていましたが、レースでは1コーナーの入りで先頭に立つと、外へ逃げそうな格好。どうなることかと思いましたが、後方から捲ってきてくれた馬のおかげで2着馬との3頭の真ん中に入れることができました。さすがは川田将雅騎手、と思いましたし、その結果が勝利でしょう。1着か2着かは大きな差ですから、ともかく、今後の成長に期待です。

[メモ登録用コメント] [芝クラシック]パドックで堂々と落ち着いて歩くことができればさらに飛躍

◆開催おすすめの調教適性

<新潟芝1600m>
◎最終追い切りが南Wでラスト1Fが最速ラップ
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 オーソドックスですが、美浦なら南W、栗東なら坂路という二本立て。ちなみに関屋記念は1着◎南W、2着3着◎栗坂でした。4着が12番人気の◎南Wだったので、調教適性としてはほぼ五分の馬場状態かもしれません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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