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【オールカマー・神戸新聞杯予想】ハーツコンチェルトの栗東滞在による影響は? 有力各馬の調教内容をジャッジ

  • 2023年09月21日(木) 18時00分

少頭数が予想される神戸新聞杯はレース展開にも注目


 先週も栗東に美浦所属馬が滞在しているお話を書きましたが、今週の神戸新聞杯は有力どころの美浦所属馬がみな栗東滞在、といってよい状況。個人的にはすごくうれしいことで、京都競馬場で行われる菊花賞でも栗東に滞在してくれると、予想がまとまりやすい(当たりやすいとは違う笑)ような気がしています。もちろん、休み明けが多いので、馬の状態が気になるところですが、それと同時に頭数が少ないので、レース展開も重要な鍵を握りそうです。

 そして、美浦は来週が改修工事中の坂路がプレオープン。JRAのホームページではドローンによる映像を見ることができましたが、そこで気になることがひとつ。これに関しては、個人的な見解だけでなく、調教師にも意見を聞いてみて、またこのコラムでもひとつの意見としてまとめてみたいと思っています。まあ、楽しみなオープンであることは間違いなく、どんな時計の出方になるのか、今から楽しみです。

【オールカマー/ジェラルディーナ】

 昨年の覇者。昨年は小倉記念からのローテーションでしたが、今年は宝塚記念から。GIホースになったことで、ローテも違ってくるわけですが、2ヶ月以上の間隔があく休み明け自体はさほど得意ではないと思います。ひょっとすると、レース間隔に関わらず、栗東では3本の追い切りを消化するというルーティンのようなパターンが確定しているので、それが影響しているかもしれません。

 1週前追い切りのCWでの動きは向正面の走りは今ひとつ、ピンとこなかったんですが、直線に向いてからの力強さは目立っていました。やはりラスト2Fのラップが11秒台なら好走するタイプなのかもしれません。そういった意味で最終追い切りはCWでラスト2Fが11.6秒、11.8秒。追い切り本数は少ないんですが、軽視はできません。

調教Gメン研究所

直線は力強い動きを見せるジェラルディーナ(9月6日撮影)


【オールカマー/ガイアフォース】

 中山芝2200mは2戦して1着と5着。56キロで勝って、57キロは負けていると考えるか、時計が速ければ好走して遅ければ凡走していると考えるか。この考え方ひとつでも取捨選択はできちゃうのかなと思います。

 ただ、1週前追い切りの内容としては、4F目が減速したAJCCとは違い、4F目が最速かつ11秒台というセントライト記念の時の1週前の坂路の内容。陣営の思惑である、マイル戦を使ったことで流れに乗っていくという戦法はタイトルホルダーが引っ張る流れでは有利に事を運べるでしょうし、最終追い切りが4F時計が遅くなりましたが、4F目最速ラップを踏んでいるので、力は出せるという判断をします。

調教Gメン研究所

ガイアフォースは力は出せる状態か(9月13日撮影)


【神戸新聞杯/ハーツコンチェルト】

 日本ダービー以来のレースとなりますが、8月下旬には美浦で追い切りを開始。9月6日に南Wで3頭併せを消化すると、その後は栗東へ移動。その週末から坂路、CWと週末と週中に追い切りを4本消化しており、トータルした調教内容は素晴らしく充実していると思います。

 最終追い切りは1週前に引き続き、松山弘平騎手が跨りましたが、時計的にはセーブした内容。ただ、ダイナミックなフットワークは時計以上の迫力を感じます。決して器用な脚を使えるタイプではないというのが、追い切りを見た印象ですから、そういった意味で阪神の外回りになる今回は条件としては悪くないはずです。

【神戸新聞杯/ファントムシーフ】

 日本ダービーの8着をどう捉えるかですが、個人的には距離うんぬんというよりも4コーナーで回った位置取りを上げるほど瞬発力がなかったという結論でよいと思っています。いつもCWでしっかりと時計を出してくるので、むしろ距離延長はこれまで瞬発力負けしていた部分を補えるファクターになると思っています。

 なにより今回は週末に坂路を併用している回数が非常に増えていて、間違いなく春よりも調教内容は充実。1週前追い切りのCWでは6F標識から15秒を切るラップを踏んでいきながらも、ラスト1Fが最速になるラップ。しかも最後の直線は11.3秒から11.2秒ですから、いくら開門直後の馬場とはいえ、素晴らしいラップを踏むことができています。最終追い切りではホープフルS以来の坂路になりましたが、ラスト1Fが11.7秒は野路菊Sと同じ最終追い。不安はないはずです。

調教Gメン研究所

ファントムシーフの追い切りに不安はない(9月20日撮影)


【神戸新聞杯/サトノグランツ】

 京都新聞杯で重賞を勝ち、勢いに乗じてチャレンジした日本ダービーでしたが、やはり中2週は厳しかったような気がします。それでも勝ち馬から0.7秒差なら悲観する内容ではありませんし、やはり能力的に上位評価すべき馬なんだと思います。また、秋になれば大きな舞台で、というのはゆきやなぎ賞の時点で陣営が口にしていたこと。そういった意味ではここは無様な競馬はできません。

 ただ、1週前追い切りのCWでの内容が個人的には少し物足りなく思いました。それだけに最終追い切りがどのような内容になるかと思っていましたが、結果的には坂路4F時計の自己ベストを更新。しかも4F目最速ラップですから、日本ダービーの最終追いとは全く違うといってよいでしょう。

調教Gメン研究所

日本ダービーとは全く違う動きを見せたサトノグランツ(写真右、9月13日撮影)


◆次走要注意

・9/10 3歳上1勝クラス【エンツォウーノ】(4人/7着)

 最終追い切り、DPでは非常に集中力を見せた動きでしたが、いざ実戦では集中力を欠いたようです。田中克典調教師は「次はブリンカーを着用で」と明言しており、近いうちに出走してくると思うので、その時は必ず狙ってみてください。

[メモ登録用コメント] [ダート]ブリンカー着用で勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝2400m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
○最終追い切りが併せ先着

 2019年神戸新聞杯も先週の兵庫特別も◎該当馬が1着。兵庫特別に関しては、1着馬の最終追い切りがCWでラスト2Fが11秒台のラップ。ここは先週のトレンドとして重視してもよいかもしれません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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