決して芝1200m向きの快速タイプではないが、相手にそう強力な馬がいないこと。また定量戦で伏兵との斤量差がないことから、総合力で一歩リードという意味で4歳ドラゴンウェルズを連軸向きの中心馬とする(あまり切れるタイプではない)。
秘める能力の高さは、まだまだ本格化途上の3歳春、強気に挑戦したNHKマイルC・5着(0.5秒差)で示している。最後はパワーで押し上げてきた。本当は1800m前後の平均ペース型と思えるが、これまで芝1400mは3戦1、1、2着。休み明けの前々走は1400mにしてはそうペースは速くなく、行きたがったからそのまま早めに行かせる形になったが、ねじ伏せるように1分21秒0。このクラスでは完全に能力上位を示している。1200mだと当然、差す形になるが、逆に折り合いの心配はまったくなく、1400mを1分21秒台前半で楽々と乗り切れる総合スピードを評価したい。
父ダイナフォーマーは、ブライアンズタイムと同じ1985年のロベルト産駒。これまでの輸入馬はパワーが前面に出る形で、あまり芝向きとはいえないが、配合パターンはブライアンズタイムと酷似。バーバロを送ることで底力を伝えることを示した。
ドラゴンウェルズの牝系は、日本には輸入馬のきわめて多いナタシュカから広がる一族で、ヘヴンリーロマンス、シルクプリマドンナ…などが同じファミリーの活躍馬にいる。
それだけに、ドラゴンウェルズも本格化すれば1800m前後の方が合うと思えるが、ここはステップ。OPに出世したい。
クリノワールド(武豊騎手)は軽視できないが、中山1200mで好走はもまれない外枠から気分良く行けたときだけ。過信はできず、デキの良さが光るトミノドリーム。さらには混戦向きのジョイントスターズ、マルカジークなど、人気薄の伏兵に流しておきたい。