ここ数年、ブリーダーズランキングで必ず5〜6位をキープしている「千代田牧場」は今年も目下のところ総合5位。それも例年以上に駒が豊富な感じで、「下河辺牧場」とともに強力な社台グループに続く4位の座を争っている。
千代田牧場といえば、ビクトリアクラウン、ニッポーテイオー、タレンティドガール、ダイワテキサスなどが代表馬のオーハヤブサ(1962年のオークス馬)から発展する牝系で知られるが、この名門牝系はまったく勢いを失うことがない。現在でも、障害で連勝中のミヤビペルセウス、そしてシリウスSの注目馬ドラゴンファイヤーなどが大活躍している。
ドラゴンファイヤーの母マジカルウーマンは、種牡馬ブラボーグリーン(ごく少ないリボー系)、コクトジュリアンなどの下で、その4代前がオーハヤブサ(さらに5代前がビューチフルドリーマー)になる。
名牝系にはそれなりの展望に裏付けられた種牡馬が配されるが、ドラゴンファイヤーの場合はただ時のトップ種牡馬というだけでなく、父はブライアンズタイム、その前がパラダイスクリーク(これは芝馬だが)。さらにさかのぼると、ブレイヴェストローマン、ファバージ、ダイハード…。芝だけでなくダート適性の高い馬ばかりが連続して配されている。だから、全兄のナイキアースワーク(現在は南関東)も、このドラゴンファイヤーも、ダートでこそのパワーが前面に出てきたのだろう。底力と、成長力にあふれたダート巧者が3歳ドラゴンファイヤーの真価。
今回はいきなり古馬のしぶいタイプが相手。これまでとはランクの違う強敵だが、反応に鈍さがあるので距離が2000mになるのは大歓迎。53kgなら追い比べで台頭できる。
単騎の公算大のヒーローアンセムと、阪神ダートならのラッキーブレイクが本線。
札幌2歳Sは、前回の時計は平凡でもセンスと鋭さが光ったヤマニンキングリーを狙う。