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オクトーバーS

  • 2007年10月05日(金) 18時00分
 このクラスのハンデ戦はどうしてもベテランが多くなる。みんなあと一歩の詰めを欠く同士だったりするから、いつも波乱含み。ましてここは開幕週のスローの公算が高い。

 魅力は4歳の上がり馬カゼノコウテイ(父テイエムオペラオー)。中央入り後の良績が新潟コースだけに集中するあたり、典型的な平坦巧者ともいえるが、それ以上に目下の上昇ぶりを評価したい。まず、2走前の1600mは格上がりの一戦とあって2着にとどまったが、ほとんど最後方に近い位置から大外に持ち出し1分33秒8。驚くのはこの馬の上がり3Fは「32.4秒」だったことだ。手許の資料にミスがない限り、新潟では(直線1000mは別に)、こういう上がりで好走した馬はいない。逃げ切った馬の上がりは35.4秒。クビ差同タイムのカゼノコウテイは、残り600mで約20馬身近くも前にいる馬を、3.0秒も上回る爆発力で追いつめたことになる。

 この価値を示したのが前走のNST賞2000m。[59.9-58.5秒]のスローにも近い流れを上がり33.2秒で楽々と差し切り、1分58秒4の好時計での圧勝だった。同じ開催の1週目に同じAコースでタマモサポート(朝日CC、オールカマーで善戦)が記録した1分58秒5を中身で上回ると同時に、前の週の新潟記念の1分57秒8(58.1-59.7秒)と0.6秒差だからすごい。レースの流れを考えると、その中身はほとんど新潟記念と互角だろう。

 問題は初距離。母シンウインドは1200〜1400mに良績が集中のスピード馬だったが、その父ウエスタンウインド(父ギャラントマン)の系統も、母方も決して短距離限定ではなく行きたがる気性が短距離向きだっただけ。ましてテイエムオペラオー産駒。スロー必至だけに距離はこたえないはずだ。4歳秋の上昇度に期待する。相手本線は、こちらも初距離だがむしろ合っている可能性があるガッテンワンとしたい。前走、まだ脚があった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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