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福島記念

  • 2007年11月09日(金) 17時55分
 福島記念はローカルのハンデ戦。まして芝状態から全体の時計がかかる混戦。今年は3歳馬から9歳馬まで、なんと7世代の、それもちょっとクセのある個性派がそろった。

 荒れることはみんな承知。したがって、人気は割れる。あまり高配当にはならないのだが、それでも過去10年、各年の人気薄の方の連対馬を並べると、10、9、8、6、13、9、4、9、7、4番人気の馬が連対している。つまり、上位1〜3番人気馬の組み合わせは、こと福島記念では極端に可能性が低い。穴党向きだろう。

 目下2連勝中だがら、可能性のわりには穴人気になりそうな気もするが、5歳マイハッピークロスから入りたい。前走は条件戦を写真判定勝ちだが、あえてスパートを待ち、抜け出した2頭の間に2着のアグネストレジャーとともに突っ込んでいったから、着差以上に勝負強さが光った。

 全兄のマイソールサウンド(重賞5勝)が本格化し、しぶとい粘り腰を生かして好走するようになったのは5〜6歳時から。奥手型が特徴とするなら、マイハッピークロスの真価発揮もこれからだろう。兄と少し異なって、こちらは差し馬。かつての主戦は本田騎手だったが、池添騎手にチェンジしてから、3、1、1着。差す形でリズムが合っている。

 タマモクロスの産駒は、この兄弟のほかに初期のカネツクロス、ヒロデクロス。さらにニホンピロキースなどがいるが、父の切れるイメージとは少し違って、時計のかかる馬場をむしろ得意とする渋い馬が多い。もちろん平坦に近いコースは理想。チャンスは大きい。

 相手は捨て切れない馬ばかりで手が広がってしまうが、ヨイチサウス(父オペラハウス)はぜひ買いたい。6歳の今年になって短距離から1800〜2000mに転換した馬だが、父母両系の血筋通り中距離の方が断然合っていた。トップガンジョーの出方しだいでは、理想の単騎逃げもありえる。時計のかかる芝でこその粘り腰は軽視できない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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