最近はいろんなステップの馬が好走する桜花賞。主力はこのチューリップ賞とも限らなくなっているが、昨年はウオッカ=ダイワスカーレットの決着。日曜の弥生賞と同様、最大のステップレースであることは間違いない。
阪神JFを1分33秒8で差し切り、2歳牝馬チャンピオンに輝いたトールポピーと、そのときの小差4着馬オディールが出てきた。
昨年の阪神JFは、ウオッカの年より0.7秒下回ったが、新装直後だったウオッカの年より時計はかかっているうえ、ウオッカと比べるのは無理がある。2歳の12月の時点で1分33秒8なら上々だろう。その阪神JF、ウオッカの年より半マイル、1000m、1400m通過は速かったから、1分21秒1で通過した1400m地点で先頭に並んでいたオディールは、スローも予測される今回はトールポピーと互角と考えることはできる。2頭そろっての凡走はありえない組み合わせだから、軸はどちらかでOKだろう。
ただ、トールポピーは、知られるようにフサイチホウオー(いま、心身両面の大スランプに陥っている)の全妹。今回は余裕残しの仕上げだから破綻をきたす心配はないが、過信禁物タイプの危険はある。過信禁物といえば、先週のポルトフィーノと同じクロフネ産駒がオディール。フサイチリシャール、シェルズレイなどが示すように、種牡馬クロフネの産駒もここまでのところ、どうもビッグレース向きではない側面がある。気が良すぎて、とくに芝だと追い比べで味がないような…。
2頭の一歩リードを認めつつ、新星マルチメトリックの上昇に期待したい。マリーゴッド、ノースフライトの一族で、ダート1400mの新馬を勝ったが、本質はスピード系。前走、前半10.9秒のラップが刻まれた先行争いに楽々と加わり、最後まで12秒台のラップを続けて1分25秒2。初戦とすれば文句なしの快時計で、あふれるスピード能力を示した。一度使ったあとの気配も抜群。輸送、初芝、キャリアなど死角だらけだが、案外すんなり先行できる可能性が大きい。