かつて、今回出走のシングライクバードの祖母フリートークが勝って桜花賞に挑戦したり、また半姉セイレーンズソングが好走した当時は、チューリップ賞も阪神1400mのトライアルも終わった後に中山のフラワーCで桜花賞の出走権を獲得しようとしているのは、泡沫候補だった。
しかし、時代は変わり、06年キストゥヘヴン、05年シーザリオ、04年ダンスインザムード。ここをステップにした桜花賞連対馬が続けて出現している。どちらかといえば「オークス」を展望する馬向きの1800mだが、今年もまだ桜花賞に間に合いそうな馬がいる。
シングライクバード(父シンボリクリスエス)は、1600mの桜花賞向きともいえないが、ブラックエンブレム(父ウォーエンブレム)はマイラー型に近い。オーバーホールに成功したプラス16kgだった前走、楽々と抜け出して4馬身差。1分35秒1の時計以上に素晴らしい勝ちっぷりだった。
12月の葉牡丹賞で、マイネルチャールズ(京成杯、弥生賞を連勝)とわずかクビ差。2000mをこなし、上がり34.6秒はマイネルチャールズを上回ってもいた。
ウォーエンブレムの特異性は知られるが、オープン級に出世した馬の最大の特徴は、スピード能力。ブラックエンブレムは期待通りここで賞金獲得に成功すると(1〜2着)、桜花賞でも好走の可能性があるぐらいの新星として注目できる。直前に遅れていた前走と異なり、動きも格段にシャープになった。
シングライクバードの渋い末脚(スケール)が強敵だが、穴ならわざわざ1勝馬なのに遠征してきたプティマカロン。前走は詰まって完全に脚を余している。それでも1分48秒7。ちょっと熱くなって横山典騎手を配してきた。
1戦1勝のハイエストホワイトの迫力あふれるストライドも捨てがたい。この馬は追いかけていい。