ジャパンダートダービー(7月9日 大井 サラ3歳 定量 JpnI 2000m)
「ジャパンダートダービー」は、99年から全国ダートG、“3歳春の総決算”として定着した。ただし黎明期99〜00年は、「羽田盃=1600m」→「東京王冠賞=1800m」→「東京ダービー=2000m」の旧体系が残っていたから、実質的に“4冠ロード”。状況、舞台が少し異なるかもしれない。
ともあれ99〜07年、計9年間としてデータをまとめる。1番人気[4-1-1-3]、2番人気[2-1-1-5]、3番人気[2-3-1-3]。頂上決戦にしては波乱含みの様相で、純然たる人気馬同士の決着は03年、ビッグウルフ→ユートピア→ナイキアディライトだけがそれに近いか。馬単最高配当は01年、トーシンブリザード(4冠馬)→メイショウアーム(最低11番人気)の10010円。思わぬところで穴が出た。所属別は、JRA=6勝、2着4、船橋=2勝、2着2、大井=1勝、2着2、川崎=2着1。結局JRA馬の評価(地方ダート適性)が難しく、例えば00年アグネスデジタル14着大敗、代わりにマイネルコンバット(5番人気)が大駆けを果たした。
「日本ダービー」出走馬の登場は近年2例。ゴールドアリュール優勝(日本ダービー5着)、ナイアガラ14着(同17着)。絶対能力があるかないか、ひとまずそれに尽きるだろう。逆に東京ダービー馬=1、不、1、不、3、4、不、不、2着、同2着馬=不、不、4、5、5、3、2、9、1着。昨年フリオーソは羽田3着、ダービー2着、そこから見事な逆転だから、データ的には南関勢も可能性を残している。牝馬もトータル[0-1-0-7]ながら、04年アクイレジア2着(ロジータの仔)など、実績面の裏付けがあれば軽視できない。逃げた馬=1、2、1、1、3、4、8、9、15着。昨年15着は向正面失速のエイシンイッキで、基本的に先行有利だ。
◎サクセスブロッケン
(横山典・56)
○ユキチャン
(武豊・54)
▲ドリームスカイ
(戸崎・56)
△ナンヨーリバー
(内田博・56)
△モエレラッキー
(張田・56)
△イイデケンシン
(藤田・56)
△コラボスフィーダ
(左海・56)
スマートファルコン
(岩田・56)
バンバンバンク
(田中学・56)
いつもの繰り返しだが、記者の予想は常に地方馬びいきで流れている。例えJRA断然…が圧倒的な風評でも、何か可能性はないか、切り崩せる理由はないか(こじつけ多数)、そういうスタンス。しかし今回「JDダービー」に限ると、“観戦気分”が正直強い。JRAから登場するスターホース2頭。何ともキャラクターが立っている。
サクセスブロッケンは、前走「日本ダービー」挑戦。文字通り革命児になる可能性があった。初の芝2400mはさすがに厳しく結果夢破れたが、当時3番人気、道中堂々と好位を進み、ある意味期待に沿ったレースをしている。遡ってダートはデビューから4戦4勝(レコード1)。「端午S」でユビキタスを5馬身ちぎり、そのユビキタスが続く「ユニコーンS」大楽勝だから、現時点で破格の能力。ごく素直に“一時代を築く馬”と考えたい。陣営は日本ダービー後、ほぼノータイムで出走表明。反動なしの証拠だろう。
ユキチャンは「関東オークス」で話題性をはるかに超える強さをみせた。8馬身差、レースレコード。例えば04年アクイレジアと較べても、パワー、順応性、競馬センス、すべてに大きく上回る。対ブロッケン、牡馬=牝馬のレベル差が微妙だが、臨戦過程とデキのよさ、信頼度上位の見方もないではない。ドリームスカイ▲は、前記2頭を巡り、ナンヨーリバー、イイデケンシン、モエレラッキー…、速い流れを考慮した。確かに番狂わせのダービー馬だが、時計自体は通年レベル。混戦になれば地の利もあるか。ナンヨーリバーはレースぶりにさして迫力が感じられず、モエレラッキー、イイデケンシンは本質的にマイラーと判断した。馬力型コラボスフィーダを3連勝馬券の穴にみる。
※ユキチャンは競走除外になりました。