サンタアニタT(7月30日 大井 サラ3歳以上 ハンデ SIII 1600m良)
◎(1)チェレブラーレ 1分39秒6
○(2)マズルブラスト クビ
△(3)ベルモントノーヴァ 7
△(4)ゴッドセンド クビ
▲(5)ショーターザトッシ 1/2
…………………
(6)バンドマスター
△(7)ベルモントギルダー
△(8)サウンドサンデー
単210円
馬複400円
馬単710円
3連複5460円
3連単16090円
チェレブラーレが、ゴール前のデッドヒートを制し重賞連覇を飾った。最軽量49kg=アブソルートダンスの逃げ。気合いをつけてベルモントノーヴァ2番手とは意外だったが、いずれにせよ同馬が行けるくらいだからペースは緩い(1000m通過61.5秒)。いつでも動ける手応えでマズルブラストが3番手。チェレブラーレもその2馬身ほど後ろを虎視眈々と進んでいく。3コーナー手前、アブソルート失速と同時にマズルブラストが前へ出る。間髪を入れずチェレブラーレ発進。直線入口、早くも2頭が後続を離し、一騎打ちの態勢が確定した。およそ300m、力の入る叩き合い。切れ味、瞬発力勝負ならやはりチェレブラーレということだろう。ねじ伏せた、そんな印象。着差“クビ”以上にインパクトが強かった。
チェレブラーレは前走「ゴールドC」に続きタイトル2つ目。3歳時ハイレベルのクラシックで善戦した地力があり、加えてこの2勝で、マイル適性=進むべき道をはっきりさせた。「クビ差だけど内容は横綱相撲。気性面の若さでしょう。いったん相手を交わしてからソラを使った。最後まで気持ちを緩めず追いました」(張田J)。同騎手はマズルブラストにも再三騎乗(07大井記念優勝)、そのしぶとさを知っている。目に見えにくい、しかし勝負のポイントといえば、今回の好騎乗も見逃せない。「中3週が気になったが、以前と較べ回復力が違ってきた。いい状態で送り出せたし実際レースもほぼ完璧。秋のローテーションはこれからゆっくり考えます」(太田進調教師)。ともあれ馬自身、獲得賞金を上積みし交流Gへ挑戦権が出てきたこと。勝利の意味はかなり大きい。
ただ勝ちタイム1分39秒6は褒められず(過去10年中9位)、一騎打ちのあと、3着以下が低調だった感は否めない。意識的な先行策で流れ込んだベルモントノーヴァ、勝つ競馬を試みて切れ味が足りなかったゴッドセンド。昨年の覇者ショーターザトッシも、ズブい面が出ているか、このスローで中団キープがやっとだった。それにしてもと思う。昨年“希代のハイレベル”とされた現4歳世代。フリオーソだけが生き残り、アンパサンド、トップサバトンは失速。替わって今期、チェレブラーレ、デスモゾームなど新勢力が着々と重賞を勝っていく。競馬とは、つくづく“長期予報”が難しい。
※重賞の格付けは、新表記を使用しております。