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アフター5スター賞・展望

  • 2008年09月01日(月) 23時46分
アフター5スター賞(9月3日 大井 サラ3歳以上 別定 SIII 1200m)

 第1〜9回は1800m(9回は1790m)で施行。03年からGII「東京盃」トライアルの意味合いを含め1200mに変更された(03年はコース改修工事のため1190m)。ただし昨年のレースは、およそ3か月遅れの11月30日。例のインフルエンザ禍があった。過ぎてしまえば遠い昔のように思えるのが不思議だが、競馬の歴史とはやはり平板ではなく、年々個々を振り返ると想像以上にさまざまなことが起こっている。

 ともあれ03〜07年、5年間のデータを書く。1番人気=1、2、14、8、2着、2番人気=2、1、2、1、1着、3番人気=3、4、3、2、5着。1人気は両極端だが、2〜3番人気の信頼度がきわめて高く、実績と短距離適性、おおむね順当に流れるレースと判断できる。スペシャリスト、リピーターが強いのも当然で、例えばハタノアドニスは、03〜05年を1、1、3着。3着の9歳時はさすがに衰えがあり、ロッキーアピールに勢いで一歩譲った(馬単最高配当=6900円)。

 牝馬[0-1-0-6]。03年2着ラヴァリーフリッグはかしわ記念も好走した女傑級だから、総体的には劣勢か。逃げた馬=1、1、3、2、9着。昨年キングオブライヒは明らかに格下で、基本的に“先手必勝”が生きている。

◎ベルモントサンダー
(石崎駿・57)
○キングビスケット
(坂井・53)
▲ディープサマー
(川島・57)
△メーンエベンター
(戸崎・55)
△フーバーダム
(真島・55)
△ショーターザトッシ
(町田・57)
△フリートアピール
(御神本・53)
パフィオペディラム
(左海・55)
ベルモントギルダー
(石崎隆・57)
グローリーウイナー
(吉田稔・57)

 ベルモントサンダーが連覇を狙って登場する。昨年は豪快に伸び切りフジノウェーブ(JBCスプリント勝ち)を下したもの。前述通りインフルエンザ禍で11月実施、なるほど相手に緩みはあったが、それでも弾けるような上がり36.1秒、十分胸の張れる内容だった。今季はJRA中山ガーネットS(6着)から始動。以後東京シティ盃(4着)→京成盃GM(2着)→スパーキングサマーC(1着)、4戦だけどゆったり慎重なステップ。重賞2勝目となった前走など最後セーブした独走で(4馬身差)、距離1600mをこなした点にも一段グレードアップが感じられる。今回中2週は同馬とすると異例だが、旬の状態、絶好の舞台を思えば、特に減点もないだろう。いい形でクリアできれば、次走「東京盃」にも脈が出る。

 キングビスケットはデビューから一貫短距離ロードで[12-3-2-1]の良績をあげてきた。まさにエリートといってよく、前走準重賞「シーサイドC」1分11秒7だから、時計面もオープン級にヒケをとらない。一昨年このパターンでブローザウインドが大敗したが(1人気=8着)、キングビスケットの場合、差す競馬ができるぶんひと味違う。

 GI通用実績があり(かしわ記念3着)、中間復調気配のディープサマーが3番手。鞍上・川島正太郎騎手は、先日プライドキムで水沢の交流GIII「クラスターC」を制した。天性の勝負勘、センスはもちろん、得た自信が何より大きい。先手必勝のセオリーからは、メーンエベンター、フリートアピール、グローリーウイナーが候補だが、いずれもデキの点で今一歩か。逆に混戦を想定すれば、フーバーダム、ショーターザトッシの末脚。2頭とも今回人気の盲点となりそうだ。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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