アフター5スター賞(9月3日 大井 サラ3歳以上 別定 SIII 1200m良)
▲(1)ディープサマー 1分11秒5
○(2)キングビスケット クビ
(3)パフィオペディラム 3/4
(4)ベルモントギルダー 1.3/4
◎(5)ベルモントサンダー 1
………………………
△(6)ショーターザトッシ
△(7)フリートアピール
△(11)フーバーダム
△メーンエベンター 出走取消(左前挫石)
単780円
馬複1310円
馬単3560円
3連複7550円
3連単41240円
ディープサマーが、ゴール寸前鮮やかに差し切った。先行争いを巧みに捌いたパフィオペディラムが、余力を残して直線先頭。いったん3馬身ほどのリードをとったが、あと100m、ガラリと形勢が逆転する。新星キングビスケットが猛然と襲いかかり、さらに2頭の真ん中をえぐるようにディープサマー。勝負は一瞬のうちについたから、やはり底力ということになるのだろう。「道中イン3〜4番手は先生(実父・川島正行調教師)の指示通り。最後の最後でよく伸びた。(他馬が)苦しくなるところで頑張れる、やはり強い馬ですね。嬉しくて自然にガッツポーズが出てしまった」(川島正太郎騎手)。軽い馬場を考えると少し時計が遅いこと。ベルモントサンダー(持ち時計=1分10秒9)の凡走も確かにあるが、ことインパクト、印象点は十分だった。
ディープサマーは南関東移籍後、「船橋記念=1000m」以来タイトル2つ目。JRA時GIII「クリスタルC=芝1200m」を制し、移籍後はGI「かしわ記念=1600m」3着などもあり、本来馬の絶対能力が一枚違う。ひ弱な体質を抱えること、折り合いに難しさを残すこと。そこを“再生名人”である、川島正行スタッフが、丹念な調教技術、周到な戦略で、きっちりと結果を出す。古くはサクラハイスピードに始まり、ネームヴァリュー、トーセンジョウオー、プライドキム。とにかく枚挙にいとまがない。加えて、ゴールデンルーキー・川島正太郎騎手。恵まれた環境は当然として、それを生かす、勝負勘、度胸というものに、この日改めて驚いた。ただし持ち駒豊富な同厩舎。優先出走権を得た「東京盃=10月8日大井」は未定のようで、先日岩手・クラスターCを制したプライドキムとの使い分け。川島正行師の“嬉しい悩み”は依然続く。
ベルモントサンダーは、大外枠ながら中団キープで行き脚も悪くなかった。直線5番手まで押し上げながら失速は、「全体に余裕のない走り。押せ押せ(川崎スパーキングサマーC快勝から14日)が響いたかも…」(石崎駿騎手)以外に敗因が浮かばない。もっとも同馬は、おそらく当初から東京盃を逆算したローテーション。そこで再び完全燃焼もイメージできる。牝馬同士でも詰めの甘さがあったパフィオペディラムの3着健闘。ひとこと短距離適性というべきで、今後は牡馬混合でもスプリント路線がいいだろう。ベルモントギルダーは、いわく帯に短し…のタイプで、重賞レベルとなると決定打が浮かばない。ズブさが出たショーターザトッシ、復調途上フーバーダムにも厳しい流れ。追走で息切れした。