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戸塚記念・回顧

  • 2008年09月15日(月) 23時49分
戸塚記念(9月10日 川崎 サラ3歳 別定 SIII 2100m良)

◎(1)ジルグリッター 2分17秒0
△(2)ボストンフラッグ 8
△(3)エルゼウス 2
○(4)リュウノキングダム クビ
(5)オンリーパワー 1/2
……………………
△(6)ロングアイランド
▲(7)ミサトアンバード
(8)ヒカルマドンナ
△(10)キングサラディン

単190円
馬複1130円
馬単1590円
3連複12320円
3連単37960円

 ジルグリッターが圧勝した。前走黒潮盃(2着)同様、3コーナー手前から一気の捲り。ただ黒潮盃は仕掛けながら、この日はほぼ持ったまま、勢いとスムーズさが大きく違った。好位集団をあっという間に呑み込み、4コーナーでは逃げるミサトアンバードにも体を並べる。「黒潮盃で脚を確かめていたから、(今日は)落とせないくらいの自信があった。上手に走ってくれれば力が違う馬ですよ」(張田騎手)。なるほど独走の8馬身差。2100m2分17秒0は平凡ながら(昨年ロングウェーブ=2分16秒2)、その勝ちっぷり自体、インパクトがきわめて強い。スター不在、何かすっきりしない現3歳世代だから、なおさら“新星登場”と言いたくなる。

 ジルグリッターは、元より船橋・岡林厩舎のエリートホース。デビュー2連勝(新馬59秒7)、しかし明けて1月の浦和戦でゲート入りに手こずり(およそ10分)、以後心身ともスランプに陥っていた。「一時リズムが狂って苦労したが、それだけに今日は嬉しい。前々走(地元・B3快勝)あたりから馬の気持ちが変わってきた」(同調教師)。レース展望では、「血統的に2100mはしっくりこない」と書いたが、これは記者の勘違いで、父スリリングサンデーはJRA現役時、芝長距離で活躍している。結果を含め不適当な解説になってしまい訂正したい。ともあれジルグリッターは近い将来、JRA芝を視野に入れる戦略と聞いた。最近とみに少なくなっていた新地開拓。ひとまず元気の出る話ではある。

 ボストンフラッグは、ジルグリッターの追い上げと同時に動き、最後もしぶとく踏ん張った。結果離されたにせよ、前走1200m(1着)から一気の延長を思えば文句なしの内容だろう。確かな地力と競馬センス。むろん上積みが期待できる。エルゼウスはスタートで後手を踏んだが、どんなケースでもじっくり乗る、鞍上一流の騎乗で3着に届いた。さまざまな課題はありそうだが、長距離適性は高いといえる。逆にリュウノキングダム、ミサトアンバードは、的場文、石崎隆、両ベテランの闘志が微妙に空回り、共倒れという結果にみえた。オンリーパワー、ロングアイランドは力通りの入着ライン。紅一点ヒカルマドンナもパワーの点でやはり見劣る。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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