日本テレビ盃(9月23日 船橋 サラ3歳以上 別定 JpnII 1800m)
98年から交流G移行(当初GIII)、02年にGIIへ昇格した。JBCクラシック→JCダート→東京大賞典、下半期チャンピオン路線のプロローグとして、すでに強い存在感を持っている。過去10年の優勝馬、アブクマポーロ、アグネスデジタル、スターキングマン…と並べても、実質“GI格”に近いだろう。ただ、昨年は例のインフルエンザ禍で、南関東馬のみのレースとなった。10年間、ようやくデータがそろうべきところで、降ってわいたような不幸が起こる。何とも残念、そして皮肉な年ではあった。
ともあれ、1番人気[4-2-1-3]、2番人気[4-1-3-2]、3番人気[2-3-1-4]。典型的な本命レースで、過去10年中、6回まで馬複1000円以下。1、2番人気がそろって連対を外したのは01年のみだ。馬単最高配当は、02年、マキバスナイパー→レイズスズランの4840円。当時1番人気ノボトゥルー(10着)だから、結果的に新聞予想などが見当外れだったともいえるだろう。所属別は、JRA=5勝、2着6、船橋=5勝、2着4。数字通り2場所の独占。JRA→JRAワンツーが3度あり、船橋→船橋も2度あった。他地区馬は、[0-0-1-21]と分が悪く、00年トラベラー3着(金沢)が最高の成績。3歳馬の挑戦は、02年ノムラリューオー4着、04年アジュディミツオー2着の2例だけだが、出走してくれば脈はある。逃げた馬=2、13、1、8、3、13、1、2、6、7着。2000m、スロー〜平均ペースを考えると物足りず、展開より能力優先…が鉄則だろう。
◎フリオーソ
(58・川島正)
○ボンネビルレコード
(58・的場文)
▲サカラート
(56・中舘)
△サンライズバッカス
(57・佐藤哲)
△ナンヨーリバー
(54・武豊)
△ナイキアディライト
(56・石崎駿)
△シンメイレグルス
(56・石崎隆)
キングスゾーン
(56・吉田稔)
コアレスデジタル
(56・左海)
王者フリオーソが青写真通り始動する。前走帝王賞でGI・2勝目。顔ぶれ、展開、さらに好枠(13頭・1枠)、なるほど恵まれた面はさまざまあったが、それでも現実に来るなら来い、自信に満ちた正攻法。ヴァーミリアン級不在なら地力と貫録が大きく違った。中間、外厩舎(ミッドウェイF)で坂路中心にじっくり乗り込む新戦略。今回帝王賞時よりずっと順調と伝えられ、同時にこの調整パターンがフリオーソ向きでもあるのだろう。クラスターC(水沢、GIII)、アフター5スター賞(大井、SIII)と制し、スーパールーキーを証明した川島正太郎J。稽古をつける自厩舎の馬となれば、エース・戸崎J(左鎖骨骨折・全治1か月)の代役も十分務まる。JBCクラシック→東京大賞典へ向け好発進を期待したい。
ボンネビルレコードは、距離不足とみえたかしわ記念(1600m)を豪快に差し切り、続く帝王賞も道中スローを直線だけで2着に届いた。自身の鬼脚もさることながら、鞍上・的場文騎手とのコンビが一種ミラクル。相性のいい船橋コース。ペースが上がれば逆転の目もないではない。
3番手はサカラート。05年このレース快勝、アジュディミツオーらをちぎっただけに価値があり、今夏マーキュリーC制覇など、8歳馬ながらまったく衰えを感じさせない。先行ナンヨーリバー、ナイキアディライトは、フリオーソが捲る展開をイメージすると買いづらく、それなら末脚勝負でサンライズバッカスか。GIタイトルこそフェブラリーSだが、JCダート、ダービーグランプリ好走など、中〜長距離適性も案外高い。