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クイーン賞・展望

  • 2008年12月06日(土) 23時00分
 クイーン賞(12月10日 船橋 サラ3歳以上牝馬 ハンデ JpnIII 1800m)

 データ上は堅いレースだ。過去10年、1番人気[4-3-2-1]、2番人気[3-3-1-3]、3番人気[1-1-1-7]。1→2番人気、そのままワンツーが3度あり、同様に、逆の2→1番人気という決着も3度に及ぶ。昨年は後者の例で、ホワイトメロディー→メイショウバトラー=馬単980円。ただ1度、大波乱は03年メイプルスプリング(6人気)→ロングカイソウ(3人気)。断然の1人気レマーズガールが鼻差3着に敗れ、馬単30410円と一挙に配当が跳ね上がった。

 所属別は、JRA=8勝、2着5、船橋=2勝、2着2。川崎、大井、浦和の連対はなく、残りの2着3度は、いずれも名古屋、笠松=東海ブロックから出ている。99年マジックリボン、00年リンリンスキー、05年クインオブクイン。とりわけマジックリボンは女傑ファストフレンドに頭差、当時まだ笠松所属だった安藤勝己鞍上で、今思うと懐かしい。3歳馬が意外に強く、トータル[3-1-5-14]。00年プリエミネンス、02年ビーポジティブ、07年ホワイトメロディーが優勝している。逃げた馬=5、4、8、6、1、2、14、10、7、2着。ペースメーカー的な馬の大駆けは期待しづらく、その直後、捲り気味に動けるタイプが好成績をあげている。

◎シスターエレキング
(51・桑島)
○ユキチャン
(54・安藤勝)
▲アイスドール
(54・川田)
△ヤマトマリオン
(56.5・幸)
△ザッハーマイン
(51・戸崎)
△ラピッドオレンジ
(54・内田博)
△パフィオペディラム
(53・左海)
ダイワオンディーヌ
(52・高野毅)
ブライズメイト
(52・御神本)
サイレントエクセル
(51・石崎隆)

 今年の顔ぶれはJRA勢の序列にまず迷う。いや、序列というより、能力、脚質、地方ダート適性…すべてを満たす有力馬がみえてこない。JRA流ダートなら、前々走「エニフS=阪神1400m」快勝アイスドールの決め手だが、現実に今季川崎「エンプレス杯」は勝ち負けに遠い4着だった。「関東オークス」圧勝ユキチャンは、以後芝を使ってリズムが悪く、前3走交流を健闘したヤマトマリオンもハンデ56.5kgが楽ではない。そしてラピッドオレンジ。内田博Jを早々確保した勝負気配は買えるものの、元来末一手で頼りなく、実績から右回りベターとも思えてくる。

 先手必勝を条件にシスターエレキング。前走「ロジータ記念」圧勝、なるほど単騎逃げの展開だったが、緩みないラップを踏み、直線もうひと脚使った内容(9馬身差)からは、飛躍的なパワーアップが感じとれた。父アグネスデジタル、一見華奢に写っても(430kg台)、芯が強く成長力にあふれるイメージ。園田3勝だけのキャリアで臨んだ「TCKディスタフ」4着、型破りの素質がありそうなザッハーマインとの逃げ争い。そこをどう捌くかが焦点だろう。軽量51kg。船橋1800m1分51秒7の時計があれば、交流Gでも強気に臨める。

 JRA馬の比較は冒頭に書いた通り難しい。オークスの時計(2分14秒7=交流歴代1位)からはユキチャンだが、今秋3戦いかにもバッタリというレースぶりで、ひとまず当日の気配待ちか。アイスドールは地方ダート、ヤマトマリオンはハンデ克服がカギになり、ムラな面があるラピッドオレンジも今回再び正念場だ。新星ザッハーマインは、さすがにキャリア不足とみて△にとどめた。「TCKディスタフ」連覇パフィオペディラム、同2着ダイワオンディーヌにはハードルが少し高い。御神本Jで新味を出したいブライズメイトも交流では時計不足。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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