東京2歳優駿牝馬(12月31日 大井 サラ2歳牝馬 定量 SI 1600m)
12月31日、大井最終開催、そのファイナルに据えられた「東京2歳優駿牝馬」。今年は直前に他地区大物が続々と登場し、同レース史上(32回目)最高レベルの戦いが期待できる。
過去10年間のデータ。1番人気[8-0-0-2]、2番人気[1-1-0-8]、3番人気[0-1-2-7]。1人気の強さは明白だが(パレガルニエ、ビービーバーニングなど単勝100円台が5頭)、代わりにヒモが狂う傾向で、純然たる人気馬同士の決着は、02年パレガルニエ→ネイルアートの一例しかない。馬単最高配当は、04年アサティスジョオー→セブンチャンピオン、98560円。この年は全体のレベルに疑問があったとふり返る(1人気=ヨウヨウ9着)。所属別は、大井=4勝、2着4、川崎=4勝、2着3、船橋=2勝、2着2、浦和=2着1。前述パレガルニエなど川崎から大物が出ているが、近年は、「他地区馬の転入先」という面もある。昨年はマダムルコント=川崎、ブライズメイト=船橋、道営出身馬のワンツーだった。
勝ち馬の平均キャリア=4、7戦、同2着馬=5、9戦。06年優勝ブラックムーン(金沢)が数字を押し上げた感があり、基本的に勝ち馬はあまり使い込まれていない(いわゆる素質馬)。ローレル賞(川崎1600m)優勝馬は、過去5頭出走し、1、4、1、1着。レベルの点で難しい今年だが(ヴィクトリーパール)、ひとまずデータ上は悪くない。逃げた馬=8、14、7、2、15、1、11、4、3、16着。03年ビービーバーニングだけが優勝例で、好位差し、あるいは捲るタイプに安定感がある。
◎フレンチマリー
(53・御神本)
○ネフェルメモリー
(53・戸崎)
▲ピーチフィズ
(53・和田)
△エンドスルー
(53・吉田稔)
△ツインダイヤ
(53・町田)
△クラフィンライデン
(53・山田信)
△オウシュウダイアン
(53・今野)
エロージュ
(53・五十嵐)
ロマ
(53・張田)
ヴィクトリーパール
(53・佐藤博)
フレンチマリーを推す。道営1勝馬。しかし前走転入初戦「ジュメイラビーチC=1600m」の勝ちっぷりは文句なしに強かった。ごく自然流の先行で牡馬を圧倒。確かに重賞クラス不在だったが、終始レースぶりに余裕があり、とりわけ最後のフィニッシュ、加速して重心の沈む走法に惚れ惚れした。道営時と較べ20kg増、迫力にあふれる好馬体。およそ3か月の充電、船橋転入(出川龍厩舎)で、大変身ということだろう。社台F生産(オーナー・吉田照哉氏)、フレンチデピュティ×ノーザンテーストの背景を思えば、べつだん不思議でもない。折り合いのつく気性で自在の競馬ができるはず。速さと強さ、両面を備えた馬とイメージする。
ネフェルメモリーは道営4戦4勝。それもアンペア(JpnIIIエーデルワイス賞勝ち)を2度に渡り押さえている。実績上はもちろん断然。距離も1500mまでこなしており、完成度がきわめて高い。父アジュディケーティング、今回川島正行厩舎から出走する。地元大井の期待はピーチフィズだ。10月デビュー、新馬→特別2連勝。競馬センス、勝負根性が大きく光り、前走すでに1600mをクリアしている。例年レベルなら、2歳女王最有力…という評価が十分できた。園田2勝、前走兵庫ジュニアグランプリ(JpnIII)を経験している(スーニの7着)エンドスルー、道営2勝、前走大井初戦も楽勝だったツインダイヤが伏兵。「ローレル賞」組では、勝ったヴィクトリーパールより、2着オウシュウダイアンに昇り目がありそうだ。