川崎記念(1月28日 川崎 サラ4歳以上 定量 JpnI 2100m)
「川崎記念」は、98年から交流GI移行。その第1回をアブクマポーロが圧勝している(テイエムメガトンに3馬身差)。以後もおおむね“超A級馬”が制しており、近年さらにその傾向が強まった。例えば時計。レコードは04年エスプリシーズ2分12秒8だが、06年アジュディミツオーが同タイムで完勝し、07年ヴァーミリアン、08年フィールドルージュとも、それぞれ12秒9、13秒1と文句なしの内容だった。小回りコースながら能力優先。紛れは少ない。
(1)…人気馬が信頼できる。1番人気[4-3-2-1]、2番人気[3-3-0-4]、3番人気[2-2-2-4]。1〜3人気から毎年連対馬が出ており、過去10年中、6回まで馬単1000円以下。
(2)…JRA勢優勢。過去10年で6勝、2着7。それも1番人気に推された馬は[3-3-1-2]と信頼度がきわめて高い。他で可能性を探れば、2勝をマークしている地元川崎と船橋所属馬。
(3)…前年「東京大賞典馬」が強い。出てくれば[3-1-0-1]。唯一凡走は00年ワールドクリークだが(6着)、同馬の場合、大賞典自体が大駆け(4人気)のきらいがあった。
(4)…先行型有利。連対馬のレースぶり。逃げ=5、先行=7、差し=5、追い込み=3だから極端ではないが、道中スローに流れやすく、自ら動けるタイプにやはり分がある。
※データ推奨馬
◎カネヒキリ…(1)〜(4)すべてに該当する堅い中心。左回り2100mは3歳秋、盛岡「ダービーグランプリ」圧勝をイメージすればいいだろう。当時サンライズバッカスに2.1/2馬身差。
○フリオーソ…地方馬4勝のうち3勝が5歳時。ダートのスペシャリストはおおむねこの時期に旬を迎える。川崎コースでGI・2連対と抜群の適性。先行型有利のデータにも合致する。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎カネヒキリ
(57・ルメール)
○フリオーソ
(57・戸崎)
▲サクセスブロッケン
(56・内田博)
△ボンネビルレコード
(57・的場文)
△ブルーコンコルド
(57・幸)
△ボランタス
(57・池添)
カネヒキリの強さ、底力には、もはや脱帽としか言葉がない。昨暮れ「JCダート」「東京大賞典」連破で王座を奪回。いずれもヴァーミリアンを待ち受ける形の正攻法で、とりわけ東京大賞典は上がり35.1秒、究極といえる脚を使った。2年半に及ぶプランクを見事にはね返したミラクルホース。鞍上・ルメール騎手との呼吸が素晴らしく、隙がないこと、洗練されてきたこと、レースぶりの安定感は、3〜5歳時をむしろ凌ぐ感さえある。GI・6勝、元より体調さえ整えば舞台は選ばず、中1か月、強気のローテで臨む以上、脚元もほぼ固まったと判断したい。宿敵不在なら自然流の競馬になるか。馬場と展開しだいでレコードの期待も浮かぶ。
2着争い。対サクセスブロッケン、1勝2敗のフリオーソだが、ここはキャリアとホームの利で逆転が可能だろう。昨秋から4戦、スタートミスなどもあり不完全燃焼。逆にいえば毎回力走を続けてきたブロッケンより昇り目がイメージできる。父ブライアンズタイム、明け5歳。もう一段成長していいはずだ。カネヒキリの出方が問題だが、ごく普通に川崎2100mらしい流れ(スロー〜平均ペース)なら、末脚勝負ブルーコンコルド、ボンネビルレコードは分が悪い。カネヒキリ→フリオーソ→ブロッケン…の3連単、記者予想オッズは8〜10倍。ひとまずその1点だけ買って観戦する。