報知グランプリC(2月4日 船橋 サラ4歳以上 別定 SIII 1800m)
「報知グランプリC」は、かつて“オールカマー”で行われ、44回の歴史の中、5度までアラブ系馬が勝っている。ヨシノスカレー、コスモノーブル、トチノミネフジ…。今思えば何とも懐かしい名物レース。ただし、レースのグレードが低いかといえばそうでもなく、古くはロッキータイガー、コンサートボーイ、そしてマキバスナイパー、ナイキアディライト…、堂々たるサラGI級が勝ち馬に名を連ねる。アラブ系レースが全盛だったころ、それほど驚異的な“怪物”が存在したということ。繰り返すが、今振り返ると懐かしさを禁じえない。
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(1)…人気馬が強い。1番人気[4-3-3-0]、2番人気>[2-3-2-3]、3番人気[1-1-2-6]。とりわけ1人気のアベレージは抜けて高く、荒れるとしても中波乱まで。
(2)…ホーム優勢。船橋=3勝、2着3と圧倒的で、連(2着まで)に絡まなかった年は1度しかない(当時川崎所属馬ワンツー)。他では2着3、3着1の大井勢に注意。
(3)…4歳馬注目。アローセプテンバー、ヒミツヘイキら3頭が優勝し、2着3頭。昨年もアートルマンが連対した。出走頭数自体は多くなく、大半が脈ありと推測できる。
(4)…好位差しが基本パターン。連対20頭、逃げ=3、先行=7、差し=9、追い込み1。平均勝ちタイム1分52秒0とかなり速く、自ら動ける脚が必要不可欠。
※データ推奨馬
◎ギャンブルオンミー…地元の4歳上昇馬。一貫タフに使われ、着々と力をつけてきた。データ(2)〜(4)にぴたり該当。ただ1人気にはなるかどうか。
○モエレラッキー…自在のスピード型で、時計勝負になって最も有利。大井(小林分場)所属馬。昨暮れ船橋1勝、過去東京湾C(1700m)で3着がある。
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◎トップサバトン
(56・戸崎)
○クレイアートビュン
(56・菅原勲)
▲ギャンブルオンミー
(54・内田利)
△アートルマン
(54・的場文)
△モエレラッキー
(54・張田)
△エスプリベン
(54・坂井)
△カネゼンクラウス
(54・石崎隆)
ベルモントギルダー
(56・石崎駿)
サウンドサンデー
(54・御神本)
ニックバニヤン
(54・柏木)
トップサバトンの“底力”をとった。最強世代の羽田盃馬。以後深刻なゲート難で評価を下げたが、当時現実に大井1800m1分51秒1(レースレコード)、アンパサンド、フリオーソを完封している。前走「オールスターC」3着。折り合いに依然危うさはみせたものの、スタート不利を果敢に追い上げたあたり、自身再び気力充実が感じられた。川島正行厩舎トレード、戸崎J騎乗が転機になるはず。スムーズな競馬なら一気の捲りか。記者個人的には、かつてのコンサートボーイ(息の長い末脚)とイメージがダブる。
いずれにせよ一長一短という顔ぶれで手広く流す。クレイアートビュンは、昨秋「埼玉栄冠賞」で初タイトル、続くJpnII「浦和記念」もスマートファルコンの3着だから中距離馬としてレベルが高い。先行差し自在のレース巧者。船橋初コースでも力通り走れるだろう。
上昇度重視なら、現実にオールスターCで◎サバトンに先着したギャンブルオンミー。ひとまずこの2頭が本線か。前者=菅原勲、後者=内田利雄という鞍上起用にも興味がわく。昨年2着アートルマンも末脚勝負の個性派だが、記者私見では、同馬は押さえて乗る石崎隆Jと呼吸が合う。
モエレラッキーはやや詰めが甘く、すんなり先行できる展開、さらに脚抜きのよい馬場(水曜日は微妙)が条件になる。好調ベルモントギルダー、カネゼンクラウスは1800mが気持ち長い。むしろ大穴なら意外性のある逃げ馬エスプリベン。