金盃(2月18日 大井 サラ4歳以上 別定 SII 2000m)
昨年の記憶がよみがえる。内田博幸騎手、地方(大井)所属として最後の重賞制覇が「金盃」だった。1番人気ルースリンド。ズブい馬で、“華麗に楽勝…”とはいかなかったが、逆にいえば彼の腕と個性を、十分アピールしたレースといえる。要所を締める…しっかり追い切って期待に応えた。その勝利インタビュー。「移籍するからには、目標はもちろんトップ。これからはJRAも地方もなく、“競馬”の応援をお願いします――」。いきなり08東リーディングJを獲ったのだから、文字通り有言実行。ひとこと凄い。そして1年の“早さ”にもため息が出る。
(1)…波乱含み。1人気[3-1-0-6]、2人気[3-2-1-4]。数字とすると悪くもないが、過去10年中、6度まで馬単4000〜7000円台の決着だった。人気薄の伏兵がどこかに絡む。
(2)…ホーム優勢。大井勢5勝、2着8。しかもワンツースリーが5度あった。52回の歴史、伝統のレースだけに、気合=結果と判断できるか。次いで4勝、2着2を記録している船橋勢。
(3)…熟年が活躍。過去10年、7歳馬4頭、8歳馬1頭が勝っている。対して4歳馬が意外に低調。トータル[1-2-0-13]。06年はボンネビルレコードが1人気で凡走(9着)した。
(4)…差し馬優位。連対20頭の戦法は、逃げ=3、先行=4、差し10、追い込み=3。昨年ルースリンドに代表されるパワー身上、末脚勝負の“本格派”が例年分がいい。
※データ推奨馬
◎ルースリンド…前述通り昨年の覇者。GI通用実績(07年東京大賞典4着)があり、地元に該当馬がいない以上、底力を素直に買う手か。今回半信半疑の人気で、馬券上も妙味が出た。
○バグパイプウィンド…地元上昇馬。このパターン(5歳・重賞初挑戦)で、02年コアレスハンターが2着している。本格派の差し馬という点でもデータに合う。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎バグパイプウィンド
(53・的場文)
○クレイアートビュン
(5・6菅原勲)
▲ルースリンド
(58・内田博)
△マンオブパーサー
(56・戸崎)
△ギャンブルオンミー
(57・繁田)
△ナイキアースワーク
(56・川島)
△マズルブラスト
(57・張田)
ドリームスカイ
(58・石崎駿)
レッドドラゴン
(56・真島)
コアレスデジタル
(56・本橋)
バグパイプウィンドの上昇度に賭けた。デビューから[12-2-0-0]、それも一貫中〜長距離で良積を重ねてきた成長株。敗戦は、休み明けの1200m(番組上やむなく出走)、ブルーホーク相手の前々走(準重賞)2戦だけで、能力、素質に関する限りまだ底をみせていない。父テイエムオペラオー、いかにもそれらしいパワフルな末脚。前走A2下特別、3コーナー自ら捲って出たあたり、唯一ネックとされた不器用さも解消している。1800mの持ち時計1分52秒9からは、2000m2分06秒前後で乗り切れるはず。南関東オープン、一気に勢力図を変えてみせるか。別定53kgの恵量も後押しする。
前述ルースリンドが再び内田博Jを鞍上に据えてきた(同日・第10レース交流騎乗)。大井2000mベスト、実績上位。ただ今回は昨秋浦和記念(1コーナー接触・5着)からひと息入り、状態自体が7〜8分か。それならクレイアートビュン。イメージは地味ながら、すでに「埼玉栄冠賞」でタイトルを獲り、前走船橋「報知グランプリC」も中身の濃い2着だった。以下、潜在能力でマンオブパーサー(ダービーグランプリ)、ナイキアースワーク(ユニコーンS)、デキのよさでギャンブルオンミー、マズルブラスト。バグパイプウィンドからオッズと相談しながら絞っていく。