エンプレス杯(2月25日 川崎 サラ4歳以上牝馬 別定 JpnII 2100m)
「エンプレス杯」は、第42回、95年に交流G移行(旧キヨフジ記念)。以後03年から現在の2月に施行時季が定着した(以前は6〜7月)。一つ大きな特徴といえばリピーターの活躍か。ホクトベガ、シルクフェニックス、ファストフレンド…過去15年間で3頭の連覇馬が出ている。彼女らの強さはもちろんだが、川崎2100mの特殊性とも考えられ(スローペースと深い砂)、フィーリングが合わず凡走に終わる馬も少なくない。
(1)…上位拮抗。1番人気[3-3-2-2]、2番人気[0-2-3-5]、3番人気[3-2-2-3]。総じて堅めだが、3人気→1人気、3人気→2人気の決着など、有力どころの着順が微妙に入れ替わるケースが多い。
(2)…JRAか船橋か。JRA=6勝、2着9、船橋=4勝、2着1。過去10年、この2場以外の所属馬は勝ち負けにからんでいない。3着まで拾うと、東海2頭、大井、川崎、浦和がそれぞれ1頭。
(3)…TCK女王盃と連動。03年から、その優勝馬=3、1、3、2、3、6着、2着馬=2、2、5、4、1、不。絶対ではないが大崩れもない。ちなみに前年の関東オークス馬は、04年レマーズガールが優勝した。
(4)…好位差しが理想。連対20頭は、逃げ=5、先行=3、差し=12。前述通りおおむねスローに流れ、4コーナー6番手以降からの連対は一例もない。器用さ、機動力が必須といえる。
※データ推奨馬
◎サヨウナラ…今回おそらく3〜4番人気。昨年の覇者、川崎2100m適性は言うまでもなく、当時4番手からインを突く差し切りだから、イメージ以上に器用さ、機動力も備えている。
○ユキチャン…昨春「関東オークス」圧勝。2分14秒7は、03年同レース・レマーズガール(15.6秒)を大きく凌ぎ、その時点で“名牝”の評価ができる。上積み必至の明け4歳馬。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ユキチャン
(55・武豊)
○ヤマトマリオン
(56・幸)
▲ニシノナースコール
(55・吉田豊)
△サヨウナラ
(56・岩田)
△パノラマビューティ
(55・御神本)
△マキノチーフ
(55・繁田)
△シスターエレキング
(54・桑島)
ミスジョーカー
(55・本橋)
ダイワオンディーヌ
(55・戸崎)
馬券的には、“馬単”“3連単”で絞っていくレースだろう。南関東馬、パノラマビューティ、マキノチーフまで△印をつけたが、これは正直“3着候補”。前者は本質的に短〜マイラーと思えること、後者は時計面などにはっきりした壁があること。通常地方びいきの記者でも、過大な期待はかけづらい。
ユキチャンVSヤマトマリオン。あえて前者◎は、川崎コース適性、上昇度を重くみたため。何度か書いたことだが、ユキチャンの昨夏「関東オークス」は、2分14秒7(レースレコード)で直線独走。かつてのレマーズガールを大きく凌ぐ爽快さと凄みがあった。対ヤマトマリオン2戦2敗、それも前走TCK女王盃など明らかに貫録負け。しかし今回は持ち味が100%生きる舞台に変わり、依然1kgのアドバンテージがある。武豊J。今度は大事に乗らず、自ら逃げ、あるいは捲り切って引き離す作戦とイメージした。
ヤマトマリオンを割り引く理由はあまりない。“重箱の隅”をつつけば、昨年川崎1戦7着(スパーキングレディーC)、フィーリングが合わない懸念だが、ごく普通には馬自身、今季充実度が違っている。サヨウナラ、ニシノナースコールの比較は、鋭さ、決め脚でナースコールをとりたい。昨年2着は大外強襲。JRA枠の関係で思うように使えなかったが、前々走「名鉄杯」牡馬相手の差し切りなど、人気2頭にひと泡吹かせる“個性”を感じる。3連単、ユキチャンを頭に据え、2着にマリオン、ナースコール。3着が少し狂えば好配当…と考えた。